アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
決着? …1
-
そして、火曜日。
まとめたデータを提出した後、最後の確認のために会議室に全員で集まった。
その場にはもちろん二宮課長さんもいて…
最初に目が合った時、二人の間に気まずい空気が流れたけど、俺が「お疲れ様です」と言うと、いつもの笑顔で「お疲れ」と返してくれた。
…よかった。
あれは、なかった事にしてくれたのかな?
皆の様子からも、特に変な感じはしないし…
誰にもバレてない、よね?
ひとまず、ホッと肩をなで下ろす。
今まで通りにしてくれないと、これから先、仕事で困るし。
俺は、いつも通りを心がけて、二宮課長さんと向き合った。
いつも通りじゃなかったのは、雅治さんかもしれない。
ピリピリオーラ5割り増しって感じで、隣の松井さんが珍しく何も話しかけていなかった。
会議は滞りなく終了して、渡辺課長さんから納品完了のサインをもらった。
「お疲れ様でした。また次回、宜しくお願いしますね」
渡辺課長さんがニコリとそう言ってくれた。
嬉しい反面…また二宮課長と一緒の仕事になったら気まずいな、なんて考えてしまった。
佐々木さんが渡辺課長さんにタバコに誘われるのを見ながら片付けをしていると、二宮課長さんの視線を感じた。
なんだろう、と見ると…何か言いたげな顔で立っている。
俺が少し身構えた時…
「佐藤くん、ちょっといいかな?」
と、雅治さんに声をかけられた。
「えっ⁈あっ、はい!」
二宮課長さんから、雅治さんに目線を移す。
「ここの変更部分、俺が出張でいない時にやったんだよね?どうやって解決したか、教えてもらえる?…あ、松井さんは先に戻っていていいよ」
雅治さんが、俺の隣に座りながら資料を指差す。
「えーと、そこは…」
と、俺が雅治さんの問いに答えようとすると「じゃ、お疲れ様でした」と、二宮課長さんが言った。
「あっ、お疲れ様です。ありがとうございました!」
顔を上げてそう言うと、二宮課長さんはニコッと笑って出て行った。
すぐ側にいた松井さんが、二宮課長さんと雅治さんの方を見て「ハッ」と言う顔をした後「お疲れ様です〜」と頬を染めながら二宮課長さんを追うように外に出て行った。
あはは…
勘違い継続中?
ま、俺は何も出来る立場じゃないから、知らないフリするしかないけど。
それにしても、二宮課長さん、何だったのかな?
うーん…
「佐藤くん?」
しまった。
雅治さんに質問されてるところだった。
「あ、えっと…あ、周波数のテストですね!そこは、基盤を修正しました」
「基盤を?」
「はい。ここのブレは、このピンのケーブルが、こう…この、コンデンサーの上を跨いでいた事が原因だったみたいで…」
「跨いで?」
「そうです。ここが…こう倒れ込むように…」
「倒れ込む様に、跨いで…」
目の端で、雅治さんがピクリと眉を上げたのが見えた。
なんだろう?と思いつつ、続ける。
「それらが密着してたのか?」
「いえ。浮いてました。けど、もう少しで触れそうでしたね」
「触れてなかったのにか?…感度いいな」
「はい。このコンデンサが影響を与えて…このピンの電流が震えてたんですよ」
「震えてた…。そう。それはどうやって調べたのかな?」
「あ、この、部分にテスターを差し込んで…」
「あぁ、うちのアレを?…ここに入れたんだ?よく入ったね?狭くて難しかったろ?うちには、太いのしかないから」
雅治さんが、なぜか口端を上げる。
「いえ…ここを広げたら、あのテスターでもすんなりいけました」
「そう。広げたらすんなり入ったの…」
「そうですね。…僅かですけど、震えてるのが分かって。ココだ!ってなりました」
「はは。見つけた時は快感だった?」
「いやー、本当に気持ち良かったですよ!テスタがこう…ピクッと振れたときは、キター!って」
「震えてて…声、出ちゃったの?」
「え?そうですね。ふふっ。思わず」
「ストーーーップ!」
突然の声に、ビクッとして顔を上げると、なぜか眉間にしわを寄せた河野さんが立っていた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
445 / 559