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決着? …2
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「あんた…私がいる事分かってて、遊んでるでしょ?」
河野さんが、ギロリと雅治さんを睨む。
え?なんのこと?
雅治さんを見ると、雅治さんは笑いを堪えるようにゴホンと咳払いをした。
「見ての通り、真面目に報告受けてるだけだけど?…何か?」
「っっ」
河野さんが、さらに深いシワを眉間に刻んだ。
「会社で見せつけてんじゃないわよ…はぁ…」
見せつける?
えっ?
何?俺、雅治さんと距離近かった?
慌てて、身体を少し離した。
「佐藤さんも、大変ね。…昨日、元気なさそうだったから気になってたけど。…ま、私が気にしなくても大丈夫か。じゃ、ほどほどに?お疲れ様でした」
最後、なんだか呆れた顔をされたけど…
なんだろう?
気になる。
てゆーか、昨日の俺、元気なさそうだった?
…シャキシャキ歩けなかったから?
それとも、二宮課長さんのことで、ボーッとしてたから?
うう…
何にせよ心配かけたみたいだから、後でメールしてみようかな?
バタンとドアが閉まると、雅治さんがため息を吐いて、肩の力を抜いたのが分かった。
いつの間にか、ピリピリオーラも消えている。
「やっと出て行った」
雅治さんが、ポツリと呟いた。
「え?」
「いや……ゴホン。…その、大丈夫か?」
「えっ?あ、腰ならもう大丈夫ですっ」
念のため、小声で返す。
「フッ、違うよ。…あいつ…二宮課長のこと」
「っ!!」
うわーん!
昨日は腰の心配されたから、今日もその事かと思ったじゃん!
笑うなっ!!
「だ…大丈夫です。皆も一緒だったからか、思ったよりは平気でした」
「ん…そっか」
雅治さんが、優しく微笑んだ。
「実は…二宮課長から言われたんだけど…佐藤くんに会って話したい事があるって…」
「え?」
雅治さんからの思わぬ言葉に、心臓がドキドキと音を立てる。
「もちろん、二人でじゃなくて俺も一緒に、との事だったけど…」
雅治さんが、俺から目線を外して、嫌そうな顔をした。
あぁ、さっきのピリピリ。
二宮課長さんに対して、出してたんだ。
二宮課長さんが、俺に話がある?
なんだろう。
気になる…
「どうする?」
「んー…。うん。ま…小栗さんも一緒なら…」
「それはもちろん。でも、断っていいんだぞ?」
「ん。…でも、気になる、から…」
「そっか」
雅治さんが、肩の力を抜くように息を吐いた。
「明日定時退社できるなら、明日の定時後に、って言ってたけど」
ぶっきらぼうに、そう言う。
…きっと、雅治さんは会いたくないんだ。
俺を二宮課長さんに会わせたくない、が正解かもしれない。
でも、逃げても何も始まらない。
いや、会ったからと言って、何かいい方向に転がるとは限らないけどさ。
「迷惑かけて、ごめんなさい…」
「いや、佐藤くんが謝ることじゃないから。…じゃ、俺から二宮課長に伝えておくよ。詳細が決まったら、連絡する」
「お願いします。…ほんとに、ごめんなさい。でも、逃げてばかりじゃ、気まずいままだから…」
雅治さんが、小さく息を吐いたあと、フッと微笑んだ。
「ん。分かった。…ただ、無理はするなよ」
そう言って、俺の頭をポンと撫でてくれた。
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