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決着? …7
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「で、話は変わるんだけど…俺、彼女に本気になってからさ、少なくても3年は他の女の子とヤッてないんだよね。彼女に対して、真摯でいたいが為にね。…はは。俺、それまでは、毎週のように遊んでたんだけどさ。…いや、我ながら、よく我慢してたよ」
二宮課長さんは、何かを思い出す様に遠い目をして、フッと笑った。
「…で、そこに来て佐藤君の登場。佐藤君、まぁ言わずもがな、男だろ?だから最初、近付くことに対して悪い事をしている気持ちはなかった…」
たっぷり間をとってから、続ける。
「って言うか、今思えば…男だからって自分に言い訳して、近付いたんだ。……で…結果、あぁなった。……佐藤君の魅力に逆らえなかった」
う、うう…
魅力って言われても…
あぁー、何より隣から感じる殺気が怖い。
多分、皆が皆、あの時の状況を思い出してるんだろう。
気まずい沈黙が流れた。
「俺は、昔の佐藤君を知らないから、アレだけど…佐藤君、今までよく無事でいたと思うよ」
「えっ?」
二宮課長さんの言葉に、雅治さんもピクリと反応した。
「佐藤君は、見た目の可愛さだけじゃない、不思議な魅力があるんだ。…本当に、気を付けてもらいたい……いや、俺が言えた立場じゃないけどさ。……いくら相手が男でも、二人で飲みに行かないとか…行ったとしても必ず途中で帰るとか。…あ、タクシーで送ってもらうとか以ての外だよ?気を付けて」
た、タクシー…
なんだか、懐かしい思い出が頭を掠める。
大きなため息が、隣から聞こえてきた。
二宮課長さんは真面目な顔で俺を見る。
「佐藤君は、自分が可愛いと認めたくないみたいだね?…でも、事実そうなんだよ。男女関係なく魅了する色気まで揃ってるときたもんだ。…酒の席では特に気を付けて」
「う…はい…」
大学の友人との忘年会の帰りにも、似たようなことを言われたな、と思い出した。
俺、成長してないじゃん…
「小栗も、それを踏まえて佐藤君を守ってやれよ?」
「言われなくても」
雅治さんが、プイッと横を向いた。
「多分、佐藤君をこんなに可愛くしたのは小栗なんだろ?…改めて思うと、佐藤君の色気って…男が自然と放つものとは違うもんな。…本当に、気をつけろよ」
面と向かってそう言われて、すごく恥ずかしくなった。
雅治さんがゴホンと咳払いすると、二宮課長さんは肩を竦めた。
「あー…それにしても…いくつになっても、告白って…緊張するもんだよな?…あ、いや、もちろん、するけど…。相手が相手だしなぁ…。俺、立ち直れるかな?…はは」
二宮課長さんがだいぶいつもの調子に戻って、肩を竦めて笑ったので、俺もつられて苦笑いした。
そうだよなぁ…
河野さん…
二宮課長さんの事は嫌いじゃないと思うけど、恋愛感情は…なさそうだもんなぁ…
しかも河野さんなら、すごくハッキリと断りそうだし。
それを想像したら「フッ」と、笑いが漏れてしまった。
それを見た雅治さんが言った。
「え?二宮課長の相手、佐藤君も知ってるの?」
「あー…あぁ、そうです…ね…」
チラリと二宮課長さんを見たら、困った様に笑った。
「ま、小栗なら…口が固そうだし…言うけど。
俺の好きな人は、河野…だよ」
「…………… え?」
いやいやいや…雅治さん!反応遅過ぎ!!
そんなに意外ですかっ⁈
ってゆーか、河野さんにも失礼じゃ…
河野さん、素敵じゃないですかっ?
「河野…ですか…」
雅治さんが、難しそうな顔をした。
そうですね。
複雑ですね。
そして、二宮課長さんが可哀想な振られ方をする事…想像してますよね?
その後、今日一番の微妙な沈黙が続いたのは、言うまでもない。
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