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ご対面 …3
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あんな物?本命?
よく分からないけど、遥香さんは雅治さんの言葉を信じる気はなさそうだ。
やっぱり、認めたくない…よね?
現実を突きつけられて、胸がツキンと痛む。
「だ、か、ら、いきなり親に言う勇気がねーから、まず姉貴に紹介してんだろ?…ってゆーか、見合いはとっくに断ってるし。さっきから話をすり替えるの止めろよ」
「………え?」
「姉貴の言う本命とやらが、この人だから」
遥香さんはその言葉に動揺を示した。
雅治さんと俺を交互に見る。
てゆーか、お見合い断っててくれたんだ。
良かった。
「……え?………あれをあげるのは、この子?」
「その話は、ストップ。……とにかく、俺は本気だよ。見合いを断る為でも、遊びでも冗談でもない。本気、だから」
遥香さんが、目をパチパチと瞬いた。
「ちょっ、ちょっと待って?えっ?え?本命って…この子、男だよね?だって雅くん、今までは女の子と付き合ってたよね?えっ?どういう事?信じられない!私、知ってるわよ?雅くんが女の子取っ替え引っ替えしてたこと。普通に女好きよね?えっ?遊びじゃなくて?何?どういう事?」
遥香さんが明らかに慌てた様子を見せた。
「落ち着けって…。何度も言わせんな。この人が俺の本命なの。性別とか関係なく、本気で付き合ってるから」
雅治さんが、しっかりと遥香さんを見た。
遥香さんもまた、雅治さんの真意を確かめるかの様に、雅治さんを見る。
そして…
最初に目を逸らしたのは、遥香さんだった。
「はぁー…。うん。とりあえず分かった。いや…うん。つまり雅くんは今、この子と…えと、リクくん?と、本気で付き合っていて…この先、他の子とは結婚するつもりは、ないと」
「うん」
「そう…」
遥香さんは頭を抱える様にして、うな垂れた。
ドキドキしてる。
嫌なドキドキだ。
これ、どう見ても、俺たちの関係、歓迎されてないよね?
あ、いや…元々歓迎されるとは思っちゃいないけど…
とりあえず、今のところ、怒鳴られたり絶縁を突き付けられたりはしていないので、最悪の状況にはなっていない…
と、自分に言い聞かせた。
遥香さんが次に顔を上げた時、その目は俺を捉えていた。
「陸くん、って呼んでいいのかな?…あなたは雅治のどこが良くて付き合ってるの?遊びなの?本気なの?」
「遊びならこんなとこに来るわけねーだろ」
「ちょっと!雅くんには聞いてません。陸くんに聞いてるの」
遥香さんの強い物言いに、雅治さんが口をつぐんだ。
雅治さんが俺をチラリと見たので、大丈夫だよと言う意味を込めて、頷いて見せた。
遥香さんの視線に射抜かれそうになるけど、目を逸らさずに答える。
「もちろん、本気で付き合っています。雅治さんはとても優しくて、いつも僕の事を大事にしてくれます。…そして、隣にいるのが、とても心地いいんです」
「へぇ…陸くんは?同性愛者なの?」
「姉貴!変な事聞くなよ!」
遥香さんの質問に声を荒げた雅治さんを、慌てて止める。
「雅治さん!いいから…。…いえ、僕が好きなのは、雅治さんだけです。他の男には、全くそんな感情は湧きません。今までつきあっていたのも、女性だけです」
「ふーーん」
品定めする様に俺を見た後、再び大きなため息を吐いた。
「本気…なのね?」
遥香さんのその言葉に、今度は雅治さんがため息を吐いた。
「何度も言わせんな。…こんな事、冗談で姉貴に言うわけないだろ?」
雅治さんの言葉に、遥香さんは目を見開いた。
やっぱり…イヤ…だよね?
弟が、男と付き合ってて…今後、結婚しないとか言ったら。
雅治さんだけじゃなくてその家族も、親戚や周りの人に変な目で見られるかも知れないし。
複雑…だよね…
「雅くんが、改まって何を言うかと思ったら…まさかこんな事だなんて…」
遥香さんが頭を抱えて、何かブツブツと呟いた。
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