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【番外編】秋吉菜々子の観察眼 …6
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最初のアトラクションに向かう途中、佐藤さんの乗りたいものを聞いたら、ライドに乗ってシューティングをするアトラクションとのことだった。
絶叫系じゃない辺り、小栗さんのことを配慮してるのかな?
佐藤さんも、可愛いなぁ。
今日一日で、今までのカッコいいイメージが崩れてしまいそうだ。
うん。良い意味で。
山田さんの提案で、そのアトラクションのファストパス(指定された時間にそのアトラクションに行けば、並ばずにアトラクションに乗れる整理券のようなもの)を、先に取った。
それから、山田さんの乗りたい室内ジェットコースターに並ぶ。
並んでると…って言うか、立ち止まっているとやっぱり気になる。
周りの女性からの視線が。
小栗さんは背が高いしスタイルもいいから、黙っていても目立つみたいで、そこにまず目が行くようだ。
そこに目が行くと、周りの佐藤さんや山田さんへも好奇の目が向けられる。
佐藤さんはジャニーズ系だし、山田さんは(黙ってれば)韓国俳優系だし。
あ、ユニット組んだら確実に売れる。
なんて、見慣れた私ですら思ってしまう。
チラチラと、明らかに興味のある目で見られるのは、なんとも変な気分。
皆、男性陣を見たあとに私を見て、残念な顔をしたり不思議そうな顔をしたりする…
ハイハイ、私みたいな女が一緒でスミマセンね。
とにかくコソコソ話をされたりして、なんだか居た堪れない。
「あきちゃん?どうかした?」
下を向いてしまった私に、山田さんが声をかけてくれた。
「い、いえ…その、なんと言うか、周りの視線が気になって」
「あはは。俺らイケメンだし、あきちゃんは可愛いし、目立って仕方ないよねー?」
山田さん、サラリと自分をイケメンと…
いや、私を可愛いと言ってくれたこともビックリだけど。
「お前、自分でイケメンとか言うな」
小栗さんが呆れたように言った。
「えっ?だって、事実じゃね?ねっ?あきちゃん?」
「え?あ、…はい」
「ふふっ!それ、アキちゃんはYESとしか答えられないじゃないですか」
佐藤さんが山田さんをツッコんだ。
「えー?りっちゃん、誰かさんに似て、ほんと最近俺にキビシーなぁ」
ツッコまれた山田さんが嬉しそうに笑う。
山田さんて、M(マゾ)なんだろうか…
いや、小栗さんが大好きなのか。
そう言えば、山田さんと小栗さんってどういう繋がりなんだろう?
全然タイプが違うから、友達なのが不思議だ。
「あの…山田さんと小栗さんって、どういう友達なんですか?」
気になったら、確かめたいタイプです。
「あれ?あきちゃん?俺に興味持ってくれた?」
「ちょっと!アキちゃんを変な目で見ないでくださいよ!」
佐藤さん、ありがとう。
でも、山田さんのこういうノリ、だいぶ慣れてきたので、笑顔で受け流す。
「中学からの腐れ縁だよ」
小栗さんがサラリと答えてくれた。
小栗さんとまともに話したことってあまりないけど…見た目に反して喋りやすい人なんだろうか?
小栗さんって、一匹狼みたいな雰囲気醸し出してるけど、こうしてオフで佐藤さんといる時は、その感じが薄い。
以前、仕事帰りに会った時とか、今と別人なくらい冷たい感じだったし。
私がいなかったら、もっとよく喋ったり笑ったりするのかもしれないな…
一匹狼の怖い雰囲気は、作り物なのかもしれない。
「えー?オグー!腐れ縁って何よ⁈腐ってんの?酷い!つーか、あきちゃん聞いてくれる?こいつさ、中学の時、まじダサかったのよ!」
「えっ?そうなんですか?」
「ヤマ、変なこと言うのやめろ」
「山田さん!その話気になります」
佐藤さんのその言葉に、フフンと得意げになった山田さんはニヤニヤしながら小栗さんを見て話し出した。
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