アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
【番外編】山田貴之は見た …1
-
世間では残暑と言われる季節。
いやいや、どこが残暑だよ。まだ夏真っ盛りだろ?って突っ込みを入れたくなるような暑さの中、俺はとあるマンションに向かっていた。
目的地のエントランスに入って、聞いていた部屋番号を呼び出す。
『…はい』
「着いたぜー!」
『あぁ。上がって』
その言葉と同時に、入り口の自動ドアが開いた。
今日は親友のオグに呼び出されて、こうしてやって来た。
どうやら、引越しの手伝いをして欲しいらしい。
貴重な土曜休日なのに、そのためにこうやって出向く俺って優しいよね〜。
…ま、土曜日休みになったからって、特にデートするような女は、いねーんだけどな。
はは。
ぶっちゃけ、引越し手伝いとか面倒くせぇ!
しかも、この暑さの中!
でもさ、それが"二人の新居"って言うんだから、話は別だ。
こんな機会でもない限り、今後俺がこの家に呼ばれる事はないだろう。
うひひ…
どんな場所でラブラブ生活始めてんのやら。
いっちょ冷やかしに行きますか!って事で、引越し祝い片手にこうしてわざわざやって来たのだ。
「ウィース!」
「ヤマ、悪いな」
「いいって事よー!で、俺は何すんの?」
「移動したい家具があって…」
促されて部屋に入る。
玄関の前は廊下で、左右にドアがある。
トイレとか風呂とかかな?
奥に入ると、大きめのリビング。
ダイニングも兼ねてるんだろう。
カウンター付きのキッチンがある。
つーか!鍋がある!
オグが料理する想像なんて出来ねーから…りっちゃんが作るのかも。
うおー!りっちゃん、奥さんやってんのか!
リビングの奥はどうやら寝室だ。
開いたドアの奥に、ベッドが見えた。
部屋の隅には段ボールが積み重なっている。
業者による引越しは先週だったらしいんだけど…
まぁ、この片付かない状況…分かる。
ダンボールの中身、仕舞うのが面倒くせぇんだよなー。
「悪いな。散らかってて。お互い忙しくてなかなか手がつけられなくて」
オグが部屋をぐるりと見回してからそう言った。
「あれ?そういや、りっちゃんは?」
「急なトラブルで出社中。夕方には帰るらしい。お前に任せることになって悪いって言ってたぞ」
「おーよ。ま、どっちにしろオグはりっちゃんに力仕事させたりする気ないだろ?」
「………さ、やるか。あ、勝手にあちこち見たりすんなよ?」
「ちょ!オグー!…ま、いいか。サクッと終わらせますか!」
それから、オグと一緒に、大きめの家具をいくつか動かした。
冷蔵庫を買い換えるとかで(やっぱり、りっちゃんが料理するんだそーだ)そのために食器棚動かしたり。
寝室のベッドの向きを変えたり。
…つーか、このベッド。
確実に二人で寝るやつだよな?
何かさ、二人のこと知ってるからか、そーゆーのって極力想像しないようにしてるけどさ…
二人はどんな夜を過ごすんだろーか?
昔、オグと付き合ってた女から、淡白で寂しいとか悩みを聞かされたことあったけど…
普段のりっちゃんに対するオグを見る限り、淡白とかあり得ねえ。
ブハッ!ヤベェ!
甘い言葉とか枕元で囁いちゃったりするんだろーか?この男は!
えっ⁈えっ⁈
そういや昔、りっちゃんのこと「スゲー可愛くて、エロい」とか言ってたよな?
あの言葉、マジで衝撃だったから俺、覚えてる。
いや、衝撃だったのは、言葉よりあの時のオグの顔だ。
甘い…つーか、オグこそエロい顔してた。
つまりだ。
ベッドの上でエロくなる小悪魔りっちゃんに、オグは翻弄されて…
………想像、出来ねーけど。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
491 / 559