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【番外編】山田貴之は見た …4
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寝室から、ラフな格好に着替えたりっちゃんが出てきた。
「山田さん!すぐ夕飯の準備しますね!」
そして、キッチンのオグの隣に立つ。
おぉ!
これまた貴重な光景!
いや〜。
イイねぇ…
まさに新婚夫婦って感じじゃないの。
どこからかホットプレートを取り出したオグが、テーブルの上にそれを準備する。
うわー。
ホットプレート!
これまた夫婦、っつーか家族っぽい!
それからオグは、グラスを2つとビールを運んできた。
「とりあえず、飲んで待ってろって」
「うん!二人とも疲れたろうから、先に飲んでて!」
りっちゃんがキッチンから顔を覗かせた。
「おー!じゃあ、お言葉に甘えて!」
それに応えると、ふわりと花のように微笑んだ。
オグがグラスにビールを注ぎ分けてると、りっちゃんがキュウリの漬け物みたいなのが入った小鉢を持って来た。
「とりあえず、これどうぞ」
おー。
なんか、この気遣い…本当に奥さんみたいだな。
「オグ…良い嫁貰ったな…」
そう、しみじみ呟くと、オグが「だろ?」と間髪入れずに返事した。
むむ。
りっちゃんは、頬を染めて「もう!二人してからかわないでください」と口を尖らせた。
むむむ。
なんじゃこりゃ。
俺は間違いなく、新婚夫婦の家に遊びに来たようだ。
いや、分かっていたけど。
こうやって目の前で見せられると、なんかケツがモゾモゾする。
もう、弄るのがアホらしく感じるほど。
「あ、そーだ」
ふと思い出して、持参した紙袋を二人に渡した。
「ほい。これ、引っ越し祝い」
「えっ?気を使わなくて良かったのに!」
りっちゃんが申し訳なさそうにそう言った。
「いや、全然大したもんじゃないから。…あ、中身は後で見てね!」
「?分かり、ました。なんかすみません」
「ヤマ…お前、何か変なもの包んでないだろうな?」
オグが鋭くそう突っ込んだ。
「えっ?まっさかぁ!」
「…まぁ、いい。とりあえず、ありがとう」
「いーってことよ」
ヒヒヒと笑いながら、誤魔化すようにグラスのビールをあおった。
いや〜、これ開けた時の二人の顔想像したら…笑いが…
うひひ。
ここで開けてもらいたい気もするけど、んなことしたら中身見たオグに殺されるかも知れねーし。
うひひ。
それからすぐ、りっちゃんが肉とか野菜とかを大皿に盛ってやって来た。
「たくさんあるので、どんどん食べてくださいね!あ、ご飯はあとちょっとで炊けるので…少し待ってください」
「おー!サンキュ!頂きます!」
もうどう見ても新妻のりっちゃんの隣で、いそいそと肉を並べるオグ。
それを見ながら、焼けた端から肉を口に放り込む俺。
ふーん。
もぐもぐ…
うん。
肉、美味い。
良い肉買ってくれたんだな。
ビールも発泡酒じゃなくて、生ビールだ。
「あ、ご飯炊けたみたい。山田さん、ご飯食べますか?」
「ん!いただきます」
「雅治さんは?」
「ん。頼む」
「はーい」
「ヤマ、ビールお代わりは?」
「あ、いるいる」
「陸ー、悪いけどビールも」
「はーい」
もぐもぐもぐ…
「ヤマ、どうした?…なんか大人しいな?」
オグが不思議そうな顔で俺を見た。
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