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【番外編】山田貴之は見た …7
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二人への手土産、何にしようかなー?と考えた時、二人が持ってないもん、かつ、ちょっと笑えるものにしようと思った。
ペアルックとか考えたけど、そう言うのは絶対着てくれそうにない。
だけど、パジャマなら人前に出ないし、使ってくれるかもしれないよな?
という訳で、ペアのパジャマを買うことにした。
ネットで買おうかと思ったけど、サイズがよく分かんないから、デパートに行って店員さんに「新婚夫婦にパジャマを…」って選んでもらった。
その店員さんがノリの良い若い子で、俺が友達みたいにフランクに「サプライズ的な事をしたい」と相談すると…
「サプライズ…ですか?そうですねぇ。お客様とそのご夫婦の関係にも依りますが…」と、自分では絶対に買わないようなセクシーウエアはどうですか?と勧めて来たのだ。
いや、店員さん、男の俺が奥さんにそんなモン送っちゃダメだろ…と冷静にツッコミながらも、脳裏には二人の驚く顔が目に浮かんだ。
…いや!いい!アリだわ!!
しかもこれ、オグはぜってー喜ぶハズ!
あいつ、ムッツリだもんな!!
りっちゃん着るかな?着るかなぁ?
いや、オグが無理に着せたりして!
ブフー!!!
っつー訳で、そのオモロい店員さんのおかげでゲットした、りっちゃんへのセクシー寝巻き。
もちろん、りっちゃんが男なんて言ってねーよ?
うん。つまり、女物。
落ち着いたピンクのレースで裾がヒラヒラしてて、ちょっとスケ感のあるキャミソール?みたいなやつ。
そのお揃いのレースのパンツのセットだ。
店員さん曰く、ベビードールってゆーらしい。
ま、それは普段使い出来ないから、ちゃんと普通のお揃いパジャマも包んでもらった。
これは、色違いのチェックのパジャマ。
そんなこんなで…りっちゃんが今持ってるのは、ピンクのベビードールって訳だ。
ウヒヒ!
いや、意外とこのピンク似合ってるじゃん?
「それねー。ベビードールってゆーらしいよ。可愛い寝巻きっしょ?」
「かっ、可愛いってゆーか!これっ!女物…」
りっちゃんはそう言って、慌ててそれを箱に戻した。
「いやいや…でも、オグ、こーゆーの好きだと思うなぁ」
俺がそう言うと、りっちゃんが一瞬止まった。
あれあれ?
オグが好きって言うのに反応しちゃった?
もしかして、着てみようとか思っちゃったりしてる?
「オグ、こーゆーレースで、かつセクシーなやつとか好きだぜー?ちゃんとしたメーカーのやつだから、いやらしいってゆー感じじゃなくて、女性らしい可愛さを出してくれるらしいし」
俺の話を聞きながら、りっちゃんが途中真面目な顔をした。
…あれ?
俺、変なこと言った?
それから、何を想像したのか、ジワジワと頬を染めたりっちゃんは唇をギュッと結んだ。
オグのために着る?着ちゃう?
ププ、可愛いなぁ。
「今日でも、着てみたら?」
「なっ!着ません!着ませんよ!もう!!」
そう言って、乱暴に箱の蓋を閉めた。
「あ、返品不可だからね?せっかく店員さんに相談して一生懸命選んでプレゼントしたんだからさぁ…返されたら悲しいなぁ」
俺がそう言うと、グッと何かを飲み込むような顔をしてから、箱と包装紙をガッと掴んだ。
「ま、雅治さんには見せませんからね!恥ずかしすぎる!」
そう言って、慌てて台所に行って、どこかにバタンと押し込んだ。
「あーあ、残念だなぁ…。オグ、絶対喜ぶのになぁ…」
「っっ!」
言葉を詰まらせたような感じで、りっちゃんが黙った。
あちゃー。
怒らせたかな?
「はは!ごめんごめん。ホント、ただのウケ狙いだから!真面目に着なくても良いから!」
そう弁解?してみたけど、りっちゃんから反応は返ってこなかった。
浴室からシャワーの音がやけに大きく聞こえる。
りっちゃんの表情は、こちらからは分からない。
あれ?あれ?
マジで怒らせた?
「りっちゃーん?」
それでもりっちゃんから返事はなかった。
沈黙を倍増させるように、シャワーの音が止む。
それを合図にしたように、りっちゃんが喋りだした。
「あ…っ!ワイン!肉に合わせて買ったワインがあるんです!飲みましょう!」
「えっ?…あ、あぁ。うん!飲む飲む!」
一瞬、焦った。
りっちゃんの声が震えていた気がしたから。
何?
声が震えるくらい怒ってた?
…と言うか、泣いて、る?
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