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【番外編】山田貴之は見た …8
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何?何?と、俺が一人ワタワタしていると、りっちゃんがワインとグラスを持って戻ってきた。
「はい、ドーゾ!」
「おっ、おお。サンキュ」
目が…うっすら赤いのは気のせいだろうか?
俺、そんなに酷いこと言った?
あ。
もしかして…エッチに関して、二人にはデリケートな問題があるとか?
…そうだ
オグも、エッチに関しては口を濁したじゃん!
無理だか我慢だかさせてるみたいな。
うわぁ!俺のバカ!!
茶化しちゃいけない事、茶化しちゃったのかも!
「りっちゃん!ごめん!俺、何かまずいこと…つーか、気に触るようなこと言ったかな?ごめんな!本当、俺、デリカシーなくて…」
俺がそう言うと、ワイングラスを口に運んでいたりっちゃんが、口を付けずにそれをテーブルに戻した。
「いえっ…その…」
「なんつーか、マジあれ、処分してくれてもいいし。うん。ホント、ただのウケ狙いのつもりだった!っつーか…あー、なんか…悪かった!」
俺が下げていた頭を上げると、りっちゃんが驚いている顔をしていた。
「えっ?なんでそんな?…あ、俺こそごめんなさい!せっかく山田さんが選んでくれたものなのに、あんな風に扱って…」
「いやいや…なんつーか、泣かせるようなこと…したかなー?とか?」
俺がそう言うと、りっちゃんが恥ずかしそうに、目線をグラスに下げた。
「いえ…あの…そうじゃなくて…」
「じゃあ…怒らせた?」
「そう、でもなくて……」
「やっぱ…何か、ごめん。…言ってくれたら、もう二度と気に触るようなことしないし、言わないようにするから」
俺が再び頭を下げると、りっちゃんが慌てたように言った。
「違うんです。頭を上げてくださいっ」
「?」
俺が首を傾げると、りっちゃんがモジモジしながら言った。
「ぶっちゃけ……その、なんか、嬉し…かったんです」
「え?」
嬉しかった?
何が?
再びワイングラスを持ち上げて、それをコクリと口にすると、ポツリ、ポツリと、りっちゃんが喋りだした。
「その…えーと、上手く言葉に出来ない…ですけど…俺を、雅治さんのそーゆー相手?として見てくれてる、ってことが分かって、嬉しい…です」
そーゆー相手?
「俺の親友とか…俺たちの関係を認めてくれるのにも、すごい時間かかったし……未だに腫れ物を触るような感じだし……そんな状況で、…その…俺と雅治さんの、身体の、関係…みたいなのには、絶対触れない、と言うか、避けられてる話題、と言うか…」
りっちゃんが、辛そうな顔をした。
「はっきり言って、男同士のそーゆーのって、やっぱ想像したくないじゃないですか。気持ち、悪い…だろうし。なのに…なのに、山田さんは、雅治さんが喜ぶからって。俺にっ…俺に、あんなプレゼント、くれてっ…」
りっちゃんの目が、揺れた。
「だから…嬉しかった、ん…です。…本当に、俺のこと、雅治さんの相手と、して、認めてくれてる…みたいで。…本当に、嬉しかった、です。…だから…その…」
…え?
何それ。
何それ!
りっちゃんが、目線を下げたまま、ゆっくり微笑んだ。
…っかーーーー!!!!
可愛い!!
「りっちゃーーん!!」
超、可愛い!!
何コレ!何この可愛いコ!!
思わずりっちゃんを抱きしめて、頭ぐりぐり撫でてやった。
「わっ!ちょっ!」
「りっちゃん!もう!超可愛い!つか、俺、りっちゃんの事、認めてるどころか、オグの相手として一生お願いしたいくらいなんだから!!これからもオグをよろしく!…あー!りっちゃん!可愛い!マジ好…っ、ぐあっ!」
一瞬、何が起こったか分からなかった。
とりあえず、身体に衝撃を受けて、気づけば俺は床に転がっていた。
「お前…俺のいない間に何やってんだよ」
声の主を見ると…
オグが鬼の様な顔で、りっちゃんの肩を抱いて俺を睨んでましたとさ。
あはは…
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