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【後日談】一夜の夢、一生の誓い …15
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服の後は、当日のスケジュールの相談をされて、マキさんが比較的時間を作れる日を狙って、俺が雅治さんと調整する事になった。
いざとなれば、遥香さんが職権を乱用して、マキさんを俺のために開けてくれるらしい。
そこまでされては、もうアタマが上がらない。
「あ、あの…ホントに!そこまでしてもらうのは悪いですから!」
「何にも悪いことないわよ!私たちは好きでやってるんだもの」
「そうそう。佐藤くんのお陰で、俺も色々勉強になったし。篠崎店長から直接アドバイス貰えるなんて、なかなか出来ないことだし」
いやいやいや…
満足気な二人は、俺がいくら遠慮しても、せめてお金を出させてとお願いしても、引かなかった。
その代わり、二人を信じて全て任せる事になったけど…
それから、バタバタ家に帰って(運良く、雅治さんの方が残業で帰宅が遅かった)寝る前に、雅治さんにドキドキしながら、年末の…できればクリスマス…の予定を確認してみた。
「あのさ…もし良ければ、なんだけどね?」
「ん?」
「イルミネーション、見に行きたいな、って…」
「イルミネーション?」
すでにベッドで横になっていた雅治さんが、ゴロンと俺の方に身体を向けた。
「う、ん。イルミネーション。…クリスマス、とか。その、23日はお休みでしょ?…その日の夜とか、どう…かな?」
クリスマス近くなら、23日の昼ならなんとか都合がつきそうってマキさんに言われた。
「あぁ、クリスマスか…良いね。…あー、でも23は出社かも。…いや、夜ならいいかな。確認する」
「うん。ありがと」
出社…。
年末、忙しそうだもんね。
あ、でも逆にそっちの方が、俺の準備的にはいいかも?
「どこ行く?泊まりでどっか遠くに行く?」
「泊まり⁉︎」
雅治さんの提案に、一気に気持ちが上がる。
嬉しい!…けど、待てよ。
泊まりって…女装したまま⁉︎
この場合、ラブホって意味じゃないよね?
…無理、それは無理だ。
恥ずかしすぎる。
いや、どっかで着替えれば良いけど…
いやいや…せっかくのデート、着替えに時間を取るのも勿体無い。
「いや、あの、えっと…近場!近場とかで良いんだけど…」
俺がそう言うと、雅治さんが少し考えた。
「でも、遠くの方が、知り合いに会う確率、減るんじゃない?」
ああっ。
そうだよね。そうなるよね。
「あ、うん…」
「外泊は嫌?クリスマスは家でのんびりがいいか?」
「いや、そうじゃないよ!ただ、クリスマスだし、ホテル取るの難しいかもとか考えちゃって…ハハッ」
苦し紛れにそう言ったけど、雅治さんは「あぁ…」と納得してくれたようだった。
「確かに、今から慌てて取ってもな…今年のクリスマスは休みに掛かるし…」
「うんうん。…あ、でも別に無理して23日じゃなくても」
「あー。でも、平日は平日で、俺が何時に帰れるか分かんないしな…」
「そっか…」
「ごめん。もっと早く計画すれば良かったな」
「ううん!俺だって何も考えてなかったし!年末忙しいの知ってるし。うん」
「悪い…。仕事の様子見て、日にち…決めるよ」
雅治さんが眠そうにした。
最近、ホントに忙しそう。
出張じゃないだけマシって言ってた。
そう言えば、去年は出張だったな、と思い出す。
「うん。分かった。…おやすみ」
雅治さんの睡魔を邪魔しないように会話を切って布団に潜ると、雅治さんが俺をぐいっと引き寄せた。
「ん……おやすみ」
一瞬唇を重ねて…俺で暖をとるようにして眠りについた雅治さん。
イルミネーションデート、あっさり受け入れてくれた。
雅治さんは、優しすぎる。
俺が我儘をあまり言えないのは、雅治さんが優しいからだ。
そう、ふと思った。
俺が何を言っても、この人は受け止めてくれる気がする。
俺の我儘で、外で手を繋ぐためだけに女装するという…
女装してでも手を繋いでデートしてみたい。
こんな俺は、受け止めてくれるかな。
雅治さんが好きすぎて…俺、おかしくなっちゃった、かもしれない。
あー、雅治さん、あったかい…
おやすみなさい……
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