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出張最終日
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作業最終日。
今日はホテルに泊まって、明日東京に戻る。
作業中、俺は小栗さんがそばに来るたびにビクビクしてたけど、小栗さんは相変わらずの厳しさだった。
作業は定時内にメーカー側のOKをいただいて、終了となった。
良かったー!無事に終わったよ!
佐々木さんは、初の現地にしては上出来だ、と褒めてくれた。
こうやって仕事が認められるのは嬉しい。
ウキウキしてたら、山本課長さんに誘われてそのまま4人で打ち上げに行くことになった。
玄関で待ち合わせをして、タクシーに乗る。
すぐそこだから、ということで、助手席に山本課長、後ろは俺が真ん中で佐々木さんと小栗さんに挟まれて5人乗りとは言え、ギュウギュウで乗った。
てか、小栗さんが近い。
さっきまで仕事の緊張で忘れていた別の緊張がやってくる。
5日間のうちに、慣れたと思っていたこのハリウッドオーラも、ここまで近付くのは無理!
隣からのキラキラがチクチクして…
その時、タクシーが右折したんだけど、俺がぼーっとしていたせいと狭い車内のせいで、身体が少し右に傾いただけで、隣の小栗さんに寄りかかってしまった。
「わっ!すみません」
慌てて身体を起こす。
「いや、いいよ」
触れた右腕が熱い。
小栗さんに触れるたび、俺はおかしな感覚になるんだ。
って、あれ?何気なく上半身は離したけど…
膝が…膝が当たったままなんだよね。
小栗さんは気にしてないのか足を動かさない。
どうしよう。これ、今さら俺が動かして離したら、あからさまに避けてる感じで嫌な気持ちにさせるかな?
意識する膝はとても熱くて、いたたまれない。
でも、その熱がなんだか気持ち良くなってきて、このままでも良いかな?と思えてきた。
そっと小栗さんに目を向けると、窓の外を涼しい顔で見てた。
恥ずかしい。こんなに意識してるのは俺だけだ。
てか、今まで気づかない振りしてたけど、明らかに俺、変。
今回の作業中、椅子を並べて同じモニターを見てた佐々木さんとは、これくらいの触れ合い、いくらでもあった。
でも、こんな風に意識しなかった。
どうした、俺。
どうしてこんなに小栗さんの事を意識するの?
…そうだ。こんなにオーラのある人、今まで俺の周りにいたことなかったからだ。
だから、慣れないだけなんだ。
どういう距離感で接して良いか分からないから、緊張するんだ。
うん。そうに違いない。
もし、本物のジョニーデップが隣に座っても、きっと同じように意識するだろう。
小栗さんだから、どうこう、じゃない。
そう結論を出した時、タクシーは目的地に着いた。
乗っていたのは、ほんの5分ほどだったけど、とても長い時間に感じた空間だった。
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