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二次会のお誘い
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「さて…
佐藤君は、ホテルへの帰り道分かる?タクシー呼ぼうか?」
あぁ。
小栗さんとこれで別れるの、なんか寂しいな。
何でだろう。
近寄りがたいと思っていたのに、いざ離れるとなると、寂しくなるなんて。
小栗さんも疲れているだろうし、本当は挨拶をしてスパッと解散すべきなんだろうけど…
俺が黙って下を向いていたら、小栗さんがさらに口を開いた。
「…それとも、もう一軒、何処か飲みに行く?」
えっ!
「あのっ、行きたいです!えっと、その、飲み足りないな〜って思ってたんです!」
「そっか。うん。俺ももうちょっと飲みたいんだよね。
もし良ければ、付き合ってくれる?」
「はい!ぜひ!」
嬉しい!
俺、酔うと素直になっちゃうんだけど…ちょっと酔ってるのかな。
嬉しい気持ちが顔に出るのを止められない。
満面の笑みで小栗さんを見上げた。
「っ!…えーと。屋台に行こうと思うけど、いいかな?美味しいおでん屋さんなんだけど…」
「はい!」
俺はニコニコを隠さずに返事した。
俺のニコニコに釣られたのか、小栗さんもフワリと微笑んだ。
和製ジョニデの笑顔。本当にヤバイ。破壊級。
俺の心臓、もつだろうか。
「すぐ近くだから」と、2人で通りを歩く。
金曜の夜だからか人通りは多いけど、俺はなぜか2人だけの空間を感じていた。
そう言えば、小栗さんのオーラが無い。
無いというか、いつもの近寄るなオーラが、包み込むようなオーラに変わった。
昨日、休憩室で感じたのも、こんな雰囲気だった。
急にドキドキしてきた。
何かこの感じ、恋人と歩いてるみたいじゃない?
近くもなく遠くも無い、手を伸ばせば届く距離。
会話は無いけど、なんか満たされる。
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