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約束の日
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約束の日、服をあれでもないこれでもないと選んでいたら、家を出る時間が遅れて、約束の時間ギリギリに待ち合わせの駅に着いた。
改札まで足早に向かう。
改札を出たところで、二人の女性が立ち話をしていて、すごく興奮した様子で「今の人、めっちゃかっこ良かったよね!」「芸能人かな⁈」って言うのが聞こえた。
まさか、ね?
と思いながら周りを見渡すと…いた!
小栗さんだ!
遠目からでも、分かる。
だって、小栗さんの周りだけ、なんか空気が違って見える。
今日もオーラが絶好調です。
キラキラ、チクチク
改めて、目立つ人だなぁと思う。
壁に背を預けて、スマホをいじりながら立っている。
どこでもいる様な立ち姿だけど、小栗さんのそれは、やっぱりモデルの様だった。
いつもは見ないメガネをかけていて、黒のコートの下はスーツを着ている。
今まで作業着やTシャツにジーンズと言うラフな格好しか見たことなかったから、ギャップにドキドキしてきた。
まるで、雑誌から飛び出してそこにいる様な華やかさだ。
遠巻きに、女の子達がチラチラ見てる。
なんか、むず痒い。
小走りで近寄って、声をかける。
「お待たせしてすみませんっ!」
俺の声に顔を上げた小栗さんは、目が合うと、すごく甘い顔で微笑んでくれた。
心臓がキュウンとした。
どこからか、女の子の黄色い声が聞こえる。
「全然待ってないよ。とりあえず移動しよう」と、小栗さんが俺の腰をそっと押す。
あっ…
ちょっと触れられただけなのに、その部分が熱くなった。
「居酒屋、そこを曲がってちょっと行った所ですっ」
「ん」
「今日はスーツなんですね?」
「あぁ、打ち合わせが入って会社に顔出してたから」
スーツでオーラ2割り増しです。
久しぶりの小栗さんに俺はドキドキしっぱなし。
「あ、あの、メガネ!メガネかけてたんですか?」
「あ、これ?女除けだよ」
と、苦笑いされた。
「女除けって…確かに、ちょっと近寄り難さは増しますけど…小栗さんは何してもカッコ良いですから、あまり効果なさそうですね」
俺がそう言いながら笑うと、メガネの奥で目を光らせた小栗さんが「それ、いつもカッコ良いと思ってくれてるってこと?」と流し目を寄越して来た。
ヤバイ!メガネ男子ヤバイ!
萌えるってこういう事か!
一人で内心悶えてたら、いつの間にか目的地に到着していた。
落ち着け、俺。
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