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約束のあと
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会計は小栗さんがカードでサラッと払ってくれた。
「計算面倒だから」と言って、俺には払わせてくれなかった。
クソー…カッコ良すぎる…
お店を出てから、さてどうしよう、となった。
「どこかバーとか行く?」
と、小栗さんが周りをぐるりと見渡す。
もし…もし…今後俺が自分の気持ちに素直になりたいなら、人目のあるところじゃ、話し辛い…
ここは勇気を持って、頑張れ俺。
「あのーもし良かったらうちに来ませんか?電車で10分くらいのところなんです」
男同士だし、家飲みに誘っても変じゃないよね?
「へえ。良いの?そうだな。もしお邪魔出来るなら、終電気にしなくても良いし、嬉しいな」
「えっ?あ、もちろん、泊まってもらっても構いません!」
やった!
"お持ち帰り"なんてふしだらな単語が、酔った頭に横切ったのは秘密です。
小栗さんがタクシーで行こうとか言い出したけど、この時間なら電車の方が早いとか嘘をついて、二人で電車に乗った。
本当は、タクシーの中で二人になる心の準備が出来てなかったから。
今までのこともあるし…何か起こるかもと考えたら怖かったし。
電車ではたわいも無い話をして、家に着く前にコンビニでお酒とおつまみを購入する。
さっきのお返しに、と今度は俺が支払いをした。
全然金額違うけど…
路地に入ったところで
「コンビニの袋、俺持つよ」
と小栗さんが俺の手のコンビニ袋に手を伸ばした。
いや、袋に手を伸ばしたと思ったら…
なぜか俺の手を握られてしまった。
「えっ⁈」
俺が慌てていると、小栗さんが足を止めて俺をじっと見つめた。
「家に誘われたってことは、この間のこと、本当に嫌じゃなかったって事だよね?」
と、もう何かよく分からないオーラ全開の状態の小栗さんに、ドギマギする。
「えっ、えーと、あの、その…」
「二人きりになってもいいって事だよね?」
!!
そんなこと言われると、家に誘ったことが急に恥ずかしくなってきた。
「それは、その、えーっと…」
「はは。そんなに警戒しないで」
そう言って、何事もなかったの様にコンビニ袋を俺の手から取って、前を向いて歩き出した
ドキドキ
今の、なんだったんだ。
小栗さん、たまにこうやって突然行動してくるから、困る!
アパートまですぐそこ。
今、すごい真っ赤で情けない顔してると思う。
どうか知り合いに会いません用に…
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