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新年会 …2
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二次会はご自由に、みたいな流れで、だいたい部署ごとに飲み屋街へ消えていく。
俺は自分の課の二次会に参加した。
二次会終了後、松尾が珍しく「もう一軒行かない?」と誘って来た。
時間もまだ22時だったし、少しならとOKして、松尾が行きたいというバーに着いて行った。
お店に入ると「あ!お疲れ様でーす」とテーブル席の方から知った声が聞こえてきた。
そちらを見ると、同じ会社の女子社員二人が座っていて、こちらに手を振っている。
隣の部署の3つ先輩の原さんと、1つ下で総務の秋吉さんだ。
「お疲れ様〜。奇遇だね!」
そう言いながら、松尾がそのテーブルに腰を下ろした。
えっ?一緒に飲むの?
別に嫌じゃないけど……って、気を使うから、やっぱ嫌だな…
松尾、何考えてんだよ〜
なーんてことは口に出せず「お疲れ様で〜す」と言いながら俺もその席に座った。
飲み物を注文して「カンパーイ」とグラスを合わせる。
「そう言えば佐藤君、髪型変えたよね〜?なんで伸ばしてるの?」
と、原さんが聞いてきた。
俺の髪はあれから結構伸びて、ベリーショートだった髪はナチュラルショートに変わっていた。
「イメチェンですかね?短いの飽きたし…冬は寒いんですよ」
あはは、と笑って誤魔化す。
本当は小栗さんに可愛く見られたいからなんですけどね。
「そっかー。でも今の方が似合ってるよ。ね?アキちゃん」
「はい。似合ってます」
秋吉さんは、マスコット的キャラで、皆にアキちゃんと言って可愛がられている。
「そうですか?ありがとうございます」
俺は適当に笑顔を返す。
だって、小栗さんのために伸ばしてるんだから、他の人に褒められたって…
って、俺の頭の中、どんだけ小栗さん一色なんだよ…
乙女かっ。恥ず…
「あのー、佐藤さんて、最近彼女が出来たって噂があるんですけどー…」
アキちゃんが聞きずらそうにしながら俺に質問してきた。
「ええっ?総務でもそんな噂されてるの?」
俺がびっくりしていると
「それ、デマらしいよ!佐藤、彼女なんて出来てないんだとさ!なっ!」
松尾がそう笑顔で言いながら俺の背中を叩いた。
「あぁ。うん」
何だよ。地味に背中が、痛いんですけど…
「そうなんですかぁ。ただの噂だったんですね〜」
アキちゃんが少し嬉しそうな顔をした。
そこに、原さんのツッコミが入る。
「でも、なんか佐藤君、最近ちょっと雰囲気違うよね?何か、機嫌が良いって言うか。生き生きしてるというか…」
え…
俺、そんなに表に出してる?
他部署の人にまでそう見られるなんて…
穴があったら入りたい。
「去年、初現地が上手く行ってから、仕事が楽しくなったからですかねぇ…」
うん。
嘘はついてないぞ。
「そっか!じゃ、とりあえずここにいる皆、フリーなんだねぇ」
原さんが、ニヤリとした。
「ね!今度合コンしようよ!皆、友達一人連れて来てさ。4対4で!どう?」
どう?って…
今の俺は、合コンとか行く気無いんだけd
「良いですね!やりましょう!」
ーーえ?
松尾、何でそんなに張り切ってるの?
「佐藤もいいよな?なっ?」
ええー!!
ちらりとアキちゃんを見ると、少し頬を染めて、コクコク頷いていた。
うっ…
この皆の楽しそうな雰囲気、俺の性格上、断れない…
「うーーん。分かりました」
「「決まりーー!」」
原さんと松尾がハモった。
この二人、気が合うのかな?
アキちゃんは嬉しそうに微笑んだ。
ま、仕方ないか。こういうのも、付き合いのうち…
合コンするなら土曜日で!と原さんの提案で話は進んだけど、近場のスケジュールが合わず、そのうち決めようということでその話は保留になった。
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