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焼き肉
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30分くらい走って着いた焼き肉店は、すごく雰囲気の良いお店だった。
すだれを下ろせば通路から中が伺えない造りだ。
「オシャレなお店ですね〜!どうやって見つけたんですか?」
「会社の人に教えてもらったんだよ。気に入ってもらえて良かった」
一通り注文を終えて、店員さんがすだれを下げて出て行った後、小栗さんは色気全開で視線を寄越した。
そんな目で見ないで欲しい…
目だけでヤられそうなくらい、小栗さんの目力すごいんだから。
「あ、あのっ、こっちで住むところは決まりましたか?」
「あぁ。明後日、見に行く予定だけど。いくつか候補は決めてある。
佐藤君ちの近くって言うのも考えたけど…ま、遠くても車もこっちに持ってくる予定だからいつでも会いに行けるしね」
「へ、へえ」
こっちに来たら俺と会うことを考えてくれてたことが嬉しいやら恥ずかしいやらで、むず痒かった。
俺が反応に困っていると、店員さんが「失礼します」と言って、注文のものを運んで来た。
小栗さんはウーロン茶で、俺はビールで乾杯した。
本当は俺もウーロン茶にしようとしたけど、小栗さんが勝手にビールを頼んだんだ。
それから、ほぼ無言で肉を焼いて食べた。
小栗さんが肉を頬張るその唇の動きすらエロく感じる俺は、もう末期かも知れない。
俺のそんな視線に気付いたのか分からないけど、小栗さんが一度だけ俺に「あーん」と大きめの肉を差し出した。
驚いて思わず口を開けてそれを頬張る。
小栗さんは、肉を咀嚼している俺をちょっと悪そうな笑顔でじっと見つめた。
も…///
何これ…///
お腹いっぱい食べてお店を出ると、外はもう真っ暗になっていた。
会計は、また小栗さんがカードで払って、俺がお金を出す暇がなかった。
なんか、面目無い…
車に乗って、これからどうするのかな?と思って小栗さんを見たら…小栗さんもこっちを見ていた。
熱い視線が絡まる。
どうしよう…キス、したい。
さっきから変な気分になっている俺は、吸い込まれるようにその瞳に近づく。
小栗さんの手が伸びて来て俺の頭を引き寄せるようにして、唇を合わせた。
逃げられない。
身体が…心が…
「んっ…」
チュッと言うリップ音をさせて、小栗さんが口を開く。
「本当は、このまま何処かに連れ込みたい」
舌を絡めてさらにお互いを密着させる。
どのくらいそうしていたのか分からないけど、駐車場の横を通り過ぎる車のヘッドライトで我に返って、名残惜しく唇を離した。
「次に佐藤君とする時は最後までするって決めたし、その時はゆっくりと時間をかけたいから。
時間を気にして、ただヤるだけのために会ったりホテルに行ったりとかはしたくないし」
そうして「明日、休みならなー、休もうかなー、あー」とか呟きながらハンドルにおでこを付けた。
小栗さんは、俺のことを本当にちゃんと考えてくれている。
そして、俺のことを雑に扱ったりはしない。
身体だけの関係、とも言える俺たちの関係だけど、そうならないようにしてくれている。
本当に、優しい。
「こうしていてもしょうがない…ドライブでも行くか!」
小栗さんはシートベルトを締めて前に意識を置いて、車を発車させた。
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