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客先での出来事 …2
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たわいもない話で盛り上がった昼食が終わって、皆で食堂を出た。
俺は途中から、上の空だったけど…
佐々木さんと課長さん達は喫煙室に行くとかで、俺と小栗さんは先に作業場所へ戻ることにした。
「小栗くん!」
廊下を少し進んだ後、誰かに呼び止められた。
振り返ると、さっきの…河野さんだった。
「何?」
小栗さんが立ち止まる。
「先日はご馳走さま。…GW後半はゆっくり出来た?」
胸がチクンと痛んだ。
先日…一緒にご飯行ったのかな。
ゴールデンウィークって…前半はこの人と一緒にいたのかな?
「あぁ。…ドライブ行ったよ」
「⁉︎ へぇー。ドライブかぁ。誰と行ったの?」
「さーね」
ドキッとした。
多分…俺とのドライブの事…だよね?
それをこの人に言ってくれたのが、なぜか嬉しい。
「あ、河野さ、俺の車に口紅があったんだけど」
「え…あぁ!そう!口紅、探してたんだ」
口紅⁈
この人…この人があの口紅の持ち主⁈
「そうか。ドアポケットに入ってたぞ」
「え?…ドア…ポケット?」
「?そう。ドアポケットだけど?悪いけど、今日持って来てないから、今度持ってくる」
「う…うん。そう、分かった。ありがと!」
会話をする二人を見てたら、じくじくと胸が痛くなった。
河野さんて美人でスラッとして…よく見ると巨乳で……
小栗さんと並んでると、すごく絵になる。
二人ともキラキラしていて、俺の入る余地なんてこれっぽっちもなさそうに見えた。
思わず、小栗さんがつけてくれたキスマークのある場所に触れる。
もう消えそうなキスマーク…
「ね?コーヒー飲みに行かない?リフレッシュルーム行こうよ。佐藤さん…でしたよね?一緒にどうですか?」
「いや、…俺たちもう戻るから。それじゃ」
小栗さんは、俺の肩にポンと手を置いて「行こうか」と微笑んでくれた。
「あ、うん、じゃあね…」
河野さんが複雑な顔をしている。
河野さんって小栗さんの事、好きなのかな?
なんか…そんな感じだよね?
…小栗さんは、どうなんだろ。
河野さんとの話し方が、すごく気さくな感じで、仲の良さを伺わせる。
俺の知らない小栗さん…
モヤモヤする。
色々気になる。
けど、俺にはそれを聞ける権利がない。
作業場所へ戻る途中で、小栗さんが話しかけて来た。
「あれから…身体、大丈夫だった?」
「えっ⁈…あ…あぁ!はい!だ大丈夫でした」
一瞬、何のことか分からなかった。
多分、夜光虫を見に行った後の話だよね?
あの次の日、朝もイチャイチャして…俺は昼まで歩けなくて…
小栗さんにアパートの部屋まで送ってもらったんだよね。
うわー
思い出して、恥ずかしくなる。
まさか、小栗さんが会社でそんな話するとは思わなかったから…
「何か…あの日からずっと元気なさそうだから。無理させたかなって、気になって」
「いえ…大丈夫です。ありがとうございます」
俺の様子を気にしてくれてる。
はは。俺、なんか忙しいな。
嫉妬したり、嬉しくなったり。
俺は小栗さんに心配をかけないように、作業のことだけ考える努力をした。
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