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レストランにて …1
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「もー、酷いです…」
ホテル内のレストランで、食前酒のシャンパンを飲み干してから、俺は大きくため息を吐いた。
「シャツ着たら見えないだろ?」
さっき、シャワーの後に鏡を見て気付いたんだけど、俺の首の付け根には、キスマークがつけられていた。
Yシャツを上までボタン止めたら見えないだろうけど、Tシャツだと見える位置。
「でも…今、恥ずかしいんですっ」
小栗さん…雅治さんがフッと笑って、グラスを傾けた。
うわ〜。
こういうの本当に絵になる人だなぁ…
薄暗くなり始めた景色をバックにシャンパングラスを傾ける、キラキラオーラの美人さん。
こういうところが、まだ実感湧かないと言うか…
本当にこのキラキラした人が俺なんかと付き合っていいんだろうか。
「…っ!!」
ボーッとしてたら、雅治さんと目が合った。
優しく微笑まれる。
俺に向けて。
俺にだけ見せる笑顔で。
う…ぅ
顔から火が出そう…
その時、ウエイターさんが料理を運んで来た。
色鮮やかな前菜が目の前に置かれる。
「わ!美味しそう!」
と同時に、俺のお腹がぐうぅ〜っと鳴った。
雅治さんが楽しそうに笑う。
「あ。そう言えば、昼はあまり食べてなかったな」
「…昼はその…色々あって悩んでたので…」
雅治さんが神妙な面持ちになって、俺を見た。
「悩みは、解決出来たか?」
「っ、はい。…あ、いや…」
河野さんのことを思い出す。
俺的には、すごく幸せな結末になった訳だけど…
河野さん、あれからどうしただろう。
大丈夫だったかな?
って、大丈夫な訳ないよね?
10年もの片思いが、あんな感じで終わっちゃったんだもん…
「河野の事なら気にするな。気にしてどうにかなる問題じゃないし、俺たちにはどうにも出来ないよ」
「そう…ですね」
分かってはいるけれど、心配になる。
「河野のことは、月曜日に俺が様子見ておくから。…ね?
その事は忘れて、とりあえず食事しよう」
「はい。…分かりました」
そのうち、折を見て、俺からちゃんと雅治さんとのことを伝えよう。
うん。
とりあえず、せっかくの雅治さんとの食事、楽しまなきゃ!
それから、今日の水族館の感想を話したり、雅治さんのディズニーランドの話を聞いたり(笑)と、楽しく食事を進めた。
メインのステーキを食べながら、ふと思った。
ここの注文、雅治さんに任せて頼んでもらったけど…
この肉とか超高そう。
「あの、雅治…さん?今さらですけど、このコース料理って、すごく高いんじゃないですか?」
「ん?…陸はそう言うの気にしなくていいの。…まぁ、そうだな。誕生日に何もしてないとか彼氏の名が廃るから、その埋め合わせ、とか?」
「かっ!」
彼氏!!
ある意味、複雑な響きだけど…
雅治さんがさらりとそんなこと言うもんだから、ズキュンと心臓撃ち抜かれました。
彼氏…そうか、彼氏…うふふ…
俺は、彼氏?彼女?
性別は男だけど、…アレは…女側だし…
…ま、どっちでもいいか。
「フッ…」
雅治さんが突然吹き出した。
「な、なんですか?」
「いや。陸の百面相…見ていて楽しいよ」
「えっ⁈」
もう…本当に恥ずかしい…
俺って、そんなにすぐに顔に出るの??
今まで、そんなこと言われたことないけど…
でも、アキちゃんにも色々バレたしなぁ。
「あ、そう言えば…。アキちゃん…秋吉なんですけど…」
「ん?あぁ、あきちゃんで分かるよ」
「はい…その…アキちゃんの伝言の…前回のメッセージって、何だったんですか?」
前回の時は、雅治さん無表情ながら固まってたし、今回は、伝言聞いてから雅治さん変わったし。
メッセージの内容が、すごく気になる。
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