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【番外編】 小栗雅治の独白 the final
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水族館に行く前日…
佐藤君の事を考えていたら、居ても経ってもいられず、会いに行った。
河野との事を聞きたかったのに、聞けなかった。
水族館当日…
佐藤君が河野と一緒に待ち合わせ場所に来たときは、終わったかも、と思った。
水族館を回る途中、二人の間に入ったりとか、ヤキモチを行動に移してしまう自分をどうしても止められなかったけど…
二人でジェットコースターに行っている間に、佐藤君と今夜二人で会うのは無理かもと諦めて、予約していたホテルをキャンセルした。
近くのホテルを調べたりしていた自分が馬鹿らしくなった。
女々しい自分に笑いが出る。
そして、転機は訪れた。
それは佐藤君からの突然の言葉だった。
「秋吉から、伝言があるんです。えーと確か『前に伝えたメッセージ、今日実行しないと後悔しますよ』との事でした」
メッセージって…
好きならちゃんと行動しないと
実るもんも実らなくなりますよ
どういう事だ?
前回は、秋吉さんから佐藤君を奪い返せた。
俺が手を広げれば、佐藤君が飛び込んで来てくれたんだ。
じゃあ、今回は…
河野から奪い返す?
つまり、佐藤君は河野のことが好きという訳ではないのか?
…クソ。考えても分からない。
素直に。
今、行動しないと後悔する。
そう考えたら、俺はその場で告白の返事を…
河野に自分の気持ちを伝えていた。
河野がなんかゴチャゴチャ言ってきたから
「望み通り、ハッキリしてやるよ」
そう言って、河野に俺の気持ちを見せつけた。
同時に、佐藤君にも俺の気持ちを伝える為の、キスを。
さあ。
この後は、佐藤君への気持ちを言葉にしなければ。
人生で初めての告白。
柄にもなく緊張するけど。
俺は、君に愛の言葉を伝えるよ。
もう君を、俺を、迷わせないように。
俺は、君のことが、好きだ。
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