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週末ドライブ …8
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温かい…くちびる…
角度を変えて、何度も何度もキスが降ってくる。
「…んぅ…っ!…ん、まっ…待って…っ…
見られちゃ…んぅ」
いくら車内とは言えど、外から丸見えだ。
キスの合間に、それを必死で伝えると…
「知り合いに見られないことを祈ってて」
「えっ⁈…んむ…」
再び唇が塞がれた。
優しいキス。
でも、息もつけないような熱いキス。
口では拒むことを言ったけど、俺はこのキスが嬉しくて仕方なかった。
あぁ、そうか…
俺はずっと雅治さんに触れたかったんだ。
恋人として、触れられたかったんだ。
しばらくして、雅治さんが「チュッ」と音を立てて、唇を離す。
「車内は二人きりとみなす。…まあ、節度は守るけどね。……多分」
そう言って、少し悪い顔で微笑んだ。
「うぅ…」
おそらく顔が真っ赤になってるだろう俺は、何も言い返せなかった。
なんか、恥ずかしい…
外で手は繋げなくても、その分を補うくらい二人きりの時は……
実際、今のキスでさっきの胸の痛みはスッカリ消えて無くなった。
恥ずかしい…けど、すごく嬉しいルール。
俺、単純。
言葉を返す代わりに、雅治さんを見つめて手をギュッと握り直した。
「陸さ…。そういう顔、意図的にやってるの?」
「へっ?」
雅治さんが一つため息を吐いた。
「いや、意図的とか計算じゃないって分かってるけど…。いや、計算じゃないからこそ、可愛いんだけど…」
えっ?俺、なんか変な顔してる?
「俺、陸と健全に付き合えるかな…」
そうしてもう一つため息を吐いた。
健全?
どーゆーこと?
「とりあえず、車を出そう。奥多摩、思い残すことはない?」
「あ、はい!マイナスイオン、いっぱい浴びました!」
シートベルトを締めてエンジンをかけてから、雅治さんがまた俺の手の甲にチュッとキスをした。
「では帰りますか、姫」
「〜〜!!」
王子…王子様がここにいます!
キザなセリフも、雅治さんが言うと全然違和感ない。
俺、本当にすごい人と付き合っちゃったな。
それから、都心に戻るまでの間に、俺たちの付き合い方?ルール?みたいな話をした。
メールはいつでも好きなだけしていい。
なるべく毎日やり取りすること。
雅治さんは忙しい時は返事が疎かになるかも知れないこと。
まぁ、これは俺もそうだけど。
でも、忙しくなる前にちゃんとそれを伝えること。
週末は暇ならデート。
週末じゃなくても、会いたくなったら会う。
…なーんだ。
普通のカップルと同じじゃん?
わざわざ話し合うような事じゃない。
俺、ほんとにくだらない事で悩んでたんだな…
あとなぜか、飲み会のある日は必ず連絡する事、って言われた。
なんかよく分からないけど、色々心配だからだって。
もう一つ、念を押されたのが「遠慮せず甘えること」だった。
ワガママ言われたら嬉しいからだって。
それについては、俺もお願いした。
だって、こんな完璧な人から甘えられるなんて…嬉しいよね。
そんな事を話してたら、気付いた時にはうちの近くまで戻って来ていた。
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