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ヤマさんと笑顔 …1
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ヤマさん…ヤンチャに見えるけど、こんな風に色んなこと考えて…
ヤンチャな感じは…仮の姿⁈
なんて、二人を観察してると、ヤマさんが俺に話を振った。
「りっちゃんからは、オグに聞きたいこととか言いたいこととかねーの?」
「……大丈夫、です」
「ホント〜?」
とりあえず、今回の一番の目的は、解決することが出来た。
アキちゃんをチラリと見ると、微笑みながらコクリと頷いてくれた。
雅治さんを見ると「何かあれば言って欲しい」と、力なく微笑まれた。
「大丈夫です。ヤマさんのおかげで、ちゃんと解決できました。…雅治さんが、ここで何もないことが分かって、安心しましたから」
そう言って、皆に笑顔を見せた。
「りっちゃんもさぁ、ちゃんと気になることがあれば言葉にしなきゃ!」
「はい…」
その通りです…
「こいつ、マジで気が利かないからさ!もし、オグが動かなかったら、俺に連絡しな?」
そう言ってヤマさんがスマホを取り出した。
「交換しなくていいから…」
俺がスマホを取り出す前に、雅治さんがポツリとそう呟いた。
「もう、迷惑かけないようにするから」
そう言って、テーブルの下で俺の手を、そっと握った。
それはほんの一瞬で離されたけど、何か通じ合えたみたいで、嬉しかった。
「ふ〜〜ん。…でも、りっちゃん、ホントにこんなヤツと付き合ってて良いの?こいつ、薄情なところない?連絡もマメじゃないし、人混み苦手だし、イベントもちゃんとやるイメージないけど?」
雅治さんが、渋い顔してヤマさんを睨んだ。
「あの…雅治さん、ちゃんとやってくれてます」
雅治さんの株を少しでも上げとかなきゃ。
「ホントにぃ?無理してない?」
「はい。…あの、ほぼ毎日LINEくれるし、休日はいろんな所に連れて行ってくれるし…クリスマスも、ちゃんとしてくれたし。…それに、いつもすごく優しいんです」
俺の言葉を聞いたヤマさんが、まるでスローモーションの動画のように、無表情から、目を見開いて、口を開けて、口端を上げて…満面の笑みになった。
何か…目がキラキラ輝いて見える…
「ま、じ、でっ⁈オグと毎日どんなやり取りするの?」
「あの、おやすみとか…「陸、いいから。真面目に答えなくていいから」
俺の言葉を遮るように、雅治さんが口を挟んだ。
「オグが?毎日、おやすみを?…付き合って、半年経った今でも?」
俺がコクリと頷くと、ヤマさんがその笑顔を更にクシャっとして…
「オグが!あのオグが!!すげぇ!」
って、お腹を抱えて笑いだした。
雅治さんは、嫌そうな顔をしてため息を吐いた。
言っちゃダメだった、かな?
てゆーか、ヤマさんのこの反応。
雅治さんってそんな事しない人なの?
「いや〜!りっちゃん!愛されてるわ!俺は嬉しい!りっちゃん、ありがとう!オグと出会ってくれてありがとう!」
ヤマさんが、握手を求めるように手を差し出したから、その手を握ろうと手を出したら、雅治さんに止められた。
「バカが移るから。止めとけ」
だって。
それを見たヤマさんが、更にお腹を抱えて笑いを堪えるように震えだした。
「お、オグ…俺、笑い死ぬ!…な…何それ?プッ!…やべえ!…オグがっっ。…ヒィ……人前でっ…イチャイチャ!」
目に涙を溜めて、ヒィヒィ言うもんだから、アキちゃんが「大丈夫ですか?」と、背中をさする程だった。
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