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ヤマさんと笑顔 …2
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何てゆーか、ヤマさんの笑顔ってすごい。
さっきまでしんみりだった場の空気が吹き飛んだ気がした。
笑いが治ったヤマさんは、再び俺らを見た後「やっぱり…良いね。…アリだわ」と言った。
あり?
「あの…そう言えば、最初会った時も『あり』って言われてましたけど…ありって何ですか?」
「んー。聞いちゃう?」
ヤマさんがイタズラっ子の顔をした。
「ヤマ」
雅治さんがヤマさんを止めようとしたのか、名前を呼んだけど、それにかぶせるようにヤマさんが言った。
「りっちゃんなら、想像できると思って」
「想像?」
「うん。オグとベッドでやtt「ヤマ!」
う…
今、何かすごいこと言いかけた?よね?
アキちゃんは、聞いてませんよ〜って具合に、目線を遠くに飛ばした。
は、恥ずかしい!!
ヤマさんの、俺の第一印象って、そこ見られてたの⁈
「俺だって、相手が男って聞いて、それなりに悩んだんだぜ?これくらい楽しませてもらっても良いだろー?
オグがオカマとか女装野郎に走ったのか?とか、変なブリっ子に引っかかったのか?とか考えて。そんなヤツとオグが…って想像したらさ…寒イボがっ…。
でも、りっちゃん、素で可愛いじゃん?二人並んでても違和感ないし、すげー安心した!それに、二人のやるとこ想ぞ「ヤ、マ!」
ヤマさんが、ニヤニヤしながら肩を竦めた。
ううー…アキちゃんの前で変な事ををを…
穴があったら、入りたい。
「じゃ、そんな訳で。俺はそろそろ仕事に戻りますかね〜」
ヤマさんは、満足したようにそう言って、コーヒーを飲み干した。
「ね?あきちゃん?もしうちに興味があるなら、パンフレットとか持って帰る?」
ヤマさんがアキちゃんを見た。
「えっ…と。あ、はい!そうですね!そうします!」
アキちゃんは、チラッと俺たちの方を見た後そう言った。
「じゃ、俺と一緒に戻ろーぜ!…二人は、ちゃんとわだかまり消してから戻って来いよ?…うはー!今日は、良く眠れそうだぜー!」
ヤマさんはそう言いながら、伝票を持ってアキちゃんと一緒にあっという間に消えて行った。
「あ、コーヒー代!…お礼も言ってない」
「コーヒーくらい、あいつに払わせとけ」
雅治さんが、そう言いながら、大きなため息を吐いた。
「ごめんなさい。…こんなところまで来て…」
雅治さんの顔が見れずに…とりあえず謝った。
「いや、元はと言えば、俺が悪いんだ。…気にすんな」
そう言って、俺の頭をサラリと撫でてくれた。
「それにしても、ヤマさんってすごく…その…」
「騒がしいヤツだろ?」
「はい。…あ!いえ!その…強烈な…人で、びっくりしました。あ、でも、優しくて!なんか、兄ちゃんみたい!」
「ははっ。確かにあいつは強烈なキャラだよな。…あんなチャランポランな感じなのに、俺はあいつに口で勝てた事がない…」
「へえ!二人の時も、あんな感じ?」
「ん。あのまんま」
「ふふっ!…楽しそう!」
「そうでもないよ」
口では否定した雅治さんだけど、心なしか楽しそうに見えた。
ヤマさんと雅治さん、本当にいい友達なんだな。
「とりあえず、場所移動する?俺、着替えてくるから…」
「えっ⁈でも、まだ途中なんじゃ?」
「いいよ。先生のクラス終わったし。今戻っても、ヤマにニヤニヤされるだけだしな」
「う…ありがとう…ございます」
「こちらこそ…ありがとう」
何のありがとう?と思ったけど…
ヤマさんに感化されたような雅治さんの爽やかな笑顔がすごくカッコよくて、俺はただ、見惚れてしまったのだった。
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