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決起会 …2
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その後に、二宮課長さんが話題を振ったのが…
「松井さんも、良い人がいたら早く捕まえて結婚しなよ?何事もタイミングが大事だから」
松井さんだった。
二宮課長さんは気付いてないのかな?
松井さんが雅治さんを狙ってること。
「そうですね♪良い人がいれば結婚したいんですけどねぇ」
「松井さんみたいに可愛い子なら、すぐに相手が見つかりそうだけどなぁ」
「え〜!そうでもないですよぉ」
う…
満更でもなさそうに見えるのは、俺の色メガネのせいだろうか…
「あ!でも、小栗みたいなのは、やめときなよ?女関係で苦労するのが目に見えてるから」
固まった松井さんを尻目に、二宮課長さんと営業さん達が「ははは」と笑う。
雅治さんは「酷いですね」と、苦笑いしながらも、二宮課長さんの冗談(だよね?)に付き合った。
「え〜。それなら、河野さんにもアドバイスしてあげてくださいよ〜♪」
ええっ⁈
松井さんっ⁈
何考えてんのっ⁈何振ってんのっ⁈
「ふふっ!いやぁね!小栗くんが結婚に向かない相手なんて、言われなくたってよく知ってるわ」
河野さんがおどけたように返したけど、なんかその姿が可哀想に見えてしまった。
だって、河野さんが雅治さんを狙ってたのは噂になってたみたいだし、課長さん達も…営業さん達も知ってるかもしれない。
そんな皆の前で、言わなくたっていいのに。
雅治さんが「河野まで…」と、苦笑いを返した。
「でも、小栗さんが羨ましいですよ〜!俺も女の子泣かせるような男になってみたいです!」
S電機の若い営業くん(俺と同い年くらい?)がそう言うと、どっと笑いが起きた。
ちょっと…事情を知ってるからか、見ていてヒヤヒヤするんですけどっ?
「でも、小栗くんは、今付き合ってる子と良い感じなんでしょう?」
河野さんが意地悪そうに微笑む。
すると、一斉に雅治さんに視線が集まった。
「えっ?小栗もとうとう結婚⁈」
「ノーコメントです。…彼女次第なので」
雅治さんの返しに、冷やかしの笑いが起こる。
微妙な顔をしてる松井さんを除いて。
ぶっちゃけ…
俺の気持ちは、せわしなかった。
雅治さん…やっぱり、結婚願望があるのかな?
俺…俺…
あぁ、ダメだ。
これ、今考えたらダメなやつ。
俺は、皆に合わせて笑いながら、何も考えないようにビールをあおった。
「でも、彼女いるって聞く一方で、誰も彼女を見たことがないって言う話があるんだけど?…何?実は女除けの嘘とかじゃないの?」
二宮課長さんがまた突っ込んだ事を言った。
「うわー!それ、俺も興味あります!」
営業くんも乗ってきた。
…そうか…やっぱり皆、気になってるよね。
「ちゃんといますよ?…自分で言うのもなんですけど、彼女が俺のせいで注目を浴びるのは嫌なので、誰にも会わせてないだけです」
「うわー!それ、俺も言ってみてぇー」
営業くんの言葉に、また笑いが起きる。
「確かに、モテ男くんの彼女となると、恨みとか買って大変そうだねぇ。そりゃ守るために隠すよねぇ」
二宮課長さんの合いの手が、的確と言うか…始めからこれを言いたかった、みたいな感じに聞こえてしまった。
それに…それらの言葉は、確実に松井さんにダメージを与えてる気がした。
「過去に、小栗くんと付き合ったばかりに、小栗くんを追っかけてたファンから虐められた子もいたわね」
河野さんがしみじみと言った。
「へぇ…モテるのも大変ですね」
と誰かが言うと、皆がうんうんと頷いた。
ここもまた、松井さん一人を除いて。
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