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【VD番外編】小栗雅治の苦悩 3
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そんな風に陸のことを考えながら、自分がいつの間にかニヤニヤしていたのに気付いたのは、スマホにLINEの着信があったからだ。
笑おうとして、すでに笑顔の自分に気付いた 。
LINEをやっているのは陸とだけなので、誰からの着信なんて見るまでもない。
俺、陸バカだな…
なんて思いながら画面をスワイプしてLINEを表示させる。
"今から行ってもいい?"
その言葉に、さらに顔が緩むのが分かった。
けど、仕方ないだろ?
会いたいと思っていた人から、こんなことを言われたら。
"いいよ。今どこ?迎えに行こうか?"
送信を押したところで、自分がビールを飲んでいることに気付いた。
…まあ、いいか。
陸が望めば、電車でもタクシーでも。
"実はもうすぐ駅に着きます。だから、あと15分くらいかな?"
その内容に、俺はまた微笑む。
陸は、見た目は男だ。(可愛いけど)
人に甘えるっていう感じは普段はあまり見せない。
だから…二人の時にこうして可愛らしいところを見せられると、ギャップに萌える。
…え?
俺に聞く前に、俺ん家に向かう電車にすでに乗っちゃってるとか、可愛い以外の何でもないだろ?
あと15分…
急にソワソワし始める。
部屋を片付けて、ベッドを整えて…
あとは…
シャワー済ませとこう。
少しでも長く一緒にいたいから。
そう思って、俺は急いでシャワーを済ませた。
陸が来たのは、15分と…5分後だった。
ソワソワしながらも、こうやって陸を待っているのは嫌いじゃないと思った。
玄関のチャイムを鳴らして、陸が入ってきた。
「いらっしゃい」
「突然来て…よかった?」
俺を見てフニャリと笑う。
「もちろん。…どうぞ」
陸が靴をきちんと揃えて「お邪魔しまーす」と言って上がる。
リビングに入ると、ポスンとソファに腰掛けて「はぁー」とため息を吐いた。
「陸…酔ってる?」
玄関で見たときに、あれ?と思ったけど…こうして明るいところで見ると、明らかに頬が染まっていて、目が潤んでいるのが分かる。
こんな状態で電車に乗ったとか…不安で仕方ないんだけど?
「あぁ…同期に、飲まされちゃいました…。俺、断ったんだけどね?リア充がどうとか…で、無理やり飲まされて」
ったく、誰だよ?
陸に飲ませたやつ…
もし何かあったら、そいつらタダじゃおかねぇ。
「リア充?」
「なんか、バレンタインで…チョコもらっちゃって。俺恋人いるから、こういうの貰っても困るなぁって話ししたら…贅沢だ!とか言われて」
「そう、か。…なに?陸、告白とかされた訳?…チョコ、そんなに貰ったの?」
気になって、聞いてしまう。
「んー?告白はされてないよ〜?呼び出された時点で、うまく逃げたし。チョコは…5個、かな。会社の人たちから〜。…雅治さんはぁ?」
しまった。
つい気になって聞いたけど、この話題、降るんじゃなかった。
って言うか、呼び出されたのか…
「俺も職場で…10個くらい、かな?」
「わ!多い!…やっぱりモテるんだねぇ」
ぷぅと頬を膨らませて、唇を尖らせた陸。
酔って潤んだ瞳のせいか、可愛さ5割増し。
その唇にキスしたい、と隣に腰掛けると…
「きっと、告白もたくさんされたんでしょ?」
上目遣いで、ジトッと見られた。
「さ…れた。けど…俺には陸がいるから。全部きれいに断りました」
そう言うと、ぱあぁっと顔を輝かせた。
「そっか。ふふっ」
そう言いながら、俺にギュッと抱きついて来た。
あー、俺の癒し…
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