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その理由 …1
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お互い息が整うと、雅治さんが乱れた服を整えてくれた。
再び俺にのし掛かって、コツンとおでこをくっ付ける。
「震えるほど良かった?それとも、我慢させてた?」
「っっ…!………知らないっ」
恥ずかしさに、プイと横を向いてそう答えると、甘い優しい声で、雅治さんが囁いた。
「可愛い…陸」
そして、頬にチュッとキスをする。
「とりあえず…こんな場所で、ごめん」
俺が「ううん」と、小さく首を横に振ると
「あぁ、まだ俺を煽るの?」
「えっ?今の、どこがっ?」
目が合うと、今度は唇にチュッとされた。
「ふ……早く帰って、続きシよ?」
甘い雰囲気の雅治さんのその言葉に…俺は顔が赤くなるのを感じながら、素直にコクリと頷いた。
欲しい。
雅治さんが欲しい。
いつもと様子の違う雅治さんだけど…でもだからこそ、雅治さんを感じたい、雅治さんと繋がりたいと思った。
それからすぐ車を駐車場から出して、お互い無言のまましばらく走った。
駐車場では、精算後に車を出さなきゃならない制限時間を5分ほどオーバーしていて、出るときに追加料金を支払った。
そこから現実に戻った気がして…恥ずかしくて、雅治さんに声が掛けられない。
でもなんだか俺は、雅治さんに触れたくて仕方なかった。
運転中だから…我慢するけど。
「あの…さ。仕事で、何かあった?」
首都高に乗った後、何とも言えない空気が嫌で、思い切って口を開いた。
「いや、別に。あー…違う。なんだろ。ごめん」
ごめん?
その意味が分からなくて、次の言葉が継げないでいると、沈黙に耐えられなかったのか、雅治さんの方から話し出した。
「そんな事、するつもりはないけど…」
「うん?」
「陸と付き合ってるってことを…陸は俺のもんだってのを…言いふらしたくなった」
「…え?」
「ごめん。これ以上、どう言っていいか…うまく説明出来ないんだけど」
雅治さんがあまり見ないような表情を浮かべた。
そんな雅治さんを見ていたら、雅治さんに触れたいっていう気持ちがどんどん大きくなってきた。
我慢できずに、ハンドルを握っている雅治さんの左腕に手を乗せる。
すると、雅治さんがその手をハンドルから離して、俺と手をつないでくれた。
少しの間、そのまま無言で手をつなぐ。
どちらからともなく、指を絡めて、お互いの指を堪能するように握り合った。
あ…
指を絡めただけで…まだ火照りが残っている俺の身体は反応を示す。
はは。俺の身体、素直過ぎ…
「二宮課長…」
「え?」
突然そんな事を言われて、一瞬何のことか分からなかった。
二宮課長さんがどうかした?
それを聞こうと思ったら、先に雅治さんが口を開いた。
「あ。いや、なんでもない。…何だろう、こういうの初めてで戸惑ってるって言うか、こういう時、どうしたらいいか分からないって言うか…」
雅治さんが、俺の手をギュッと握った。
「はー…。社内恋愛してる奴らって、こういう時、どうすんだろうな。…すげぇな」
雅治さんが、ポツリと、そう呟いた。
「社内、恋愛?」
「あー…うん。今の俺らって、それっぽい…だろ?」
もしかして、そのことで悩んでるの?
こういう時って、なんだろう?
職場に秘密にして付き合うのが辛くなったとか?
雅治さんはそれ以上なにも言わなくなって、黙って運転を続けた。
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