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雅治さんと電話 …1
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家に帰ってから、雅治さんに電話してみる。
何度目かのコール音で留守電に切り替わった。
まだ9時だし…寝てるって事はないよね?
シャワー浴びようかな?と思っていたら、折り返しの電話がかかってきた。
「もしもしっ?」
『陸?お疲れ様。今どこ?』
離れているからか、なんだか声を聞けるのが嬉しい。
便利な時代に感謝。
「もう家だよ。雅治さんは…まだ外?」
雅治さんの後ろで、車の音とか人のざわめきみたいなのが聞こえる。
『ん。今日はこっちの人に飲みに誘われて…』
「あ、ごめんなさい。もしかして、邪魔した?」
『いや、そろそろ帰ろうってところだったから、全然問題ないよ。今は店の外』
ふふっ。
仕事の相手より、俺のことを優先してくれるのが嬉しい。
「忙しいの?」
『んー…そうだな。今週じゃ終わらないかも。…そっちは?何か問題は?』
「ない、かな?順調だよ。プログラムの連結も終わったし」
『そっか…』
「週末は…会えない…のかな?…ザンネン」
『ごめん』
「ううん。仕事だし、仕方ないよ」
ほんの少しの間、二人の間に沈黙が流れる。
『あのさ…仕事以外で…変わったことは?』
「仕事以外?」
特に…
あ!もしかして、二宮課長さんのことを気にしてるんだろうか?
どうしよう。
今日、飲みに誘われたこと、言う?
うう…
後からバレるのも嫌だし、言おう。
「あ、あの…今日、二宮さんに飲みに誘われて…行ってきたよ」
『…二宮課長と?二人で?』
うっ。
雅治さんの声のトーンが、気持ち下がった気がした。
「う、うん。でも、途中で河野さんも合流したし。それに、俺は先に抜けてきたよ」
『そう…。二宮課長とは、どんな話した?』
「えっ?…あー、仕事の話とか、たわいもない事かな?」
言えない。言えない。
二宮課長さんが河野さんの事を好きとか。
それで俺と付き合ってると勘違いしてたとか。
『ふーん…そう…』
再び沈黙が訪れる。
雅治さん、怒って…る?
「あ、あの…」
『ん?』
「俺が、その…他の人と二人で飲みに行くのとか…やっぱり、嫌?」
モヤモヤするのが嫌で、聞いてみた。
嫌って言われたら…次回は…断らなきゃ。
ため息の後、雅治さんはこう言った。
『仕事で仕方なくとか…友達とか…陸にも付き合いがあるだろ?そこは陸の好きにしていいよ』
「そっ…か」
『ただ…やっぱり、相手によっちゃ…嫌かな?』
「相手?」
『陸のこと、狙ってる奴、とか?』
「そ、そう言う人とは、さすがに行かないよっ!大丈夫っ!」
『本当かな?』
俺の必死さに、雅治さんが少し笑いながらそう答えてくれた。
「うん!二宮さんとは、本当に何もなかったし!…あ」
『何も…なかった?』
雅治さんの声のトーンが、また下がった。
あぁ、しまった。
余計なこと言っちゃった、よね?
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