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【番外編】秋吉菜々子の観察眼 …5
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どうやら私たちの方が早く着いて、ゲートで二人を待つ事15分。
女性の熱い視線を受けながら二人がやって来た。
とゆーか、佐藤さん!
休日デートって、そんな可愛い格好してるんですかっ?
いや、腰にシャツを巻いてるだけだけど…それが可愛らしさの演出に見えてしまうのは、私の色眼鏡のせい?
そして、小栗さん…
シャツにジーンズなんだけど、そのスタイルとセンスの良さのせいか、海外モデルのような雰囲気です。
…改めて見ると、目立つカップルだなー。
佐藤さんはそばまで来ると、私を見て申し訳無さそうにはにかんだ。
「アキちゃん!ごめんね?俺、なんか主旨がよく分かってないんだけど…なんか、もしかして俺の誕生日のために、無理矢理付き合わされちゃったのかな?」
「ええー!りっちゃんもそんな事言う⁈無理矢理じゃないし!」
山田さんがぷうと頬を膨らませた。
「はは。最初、山田さんからお話いただいた時はビックリしたんですけど、無理矢理じゃないですよ!山田さんが二人を遊園地デートに連れて行きたいとおっしゃって…でも、二人だけだと、遊園地とかなかなか行けないだろうからって。だから、それに協力する事にしたんです」
「そうなの?」
「はい。逆ナン対策員として参りました!」
ピシリと敬礼して見せると、佐藤さんは笑ってくれた。
「はは。そっか。なんか、ごめんね?」
「いいえ!誕生日プレゼントのお役に立てるなら、全然!ってゆーか、私なんかがお役に立てるか分かりませんが…。あ!佐藤さん、お誕生日おめでとうございました!」
「いやいや…ありがとう!」
佐藤さんが微笑むと、その場が和んだ。
ってゆーか、主に山田さんを睨んでた小栗さんが、だけど。
「じゃ、いざ夢の国へ!チケットは皆の分の前売り買ってあるから!さ、行こう!」
まるで、子供のようにはしゃぐ山田さんに続いて、皆でパーク内へと入った。
入ってからまず、山田さんが地図と睨めっこするために立ち止まった。
「これ乗りたい!」
と指差すと、それを見た佐藤さんが、小栗さんの顔色を伺った。
…なんだ?
佐藤さんは、自分の意思で行きたいところを言えないのだろうか?
えー?このカップル、小栗さんが決定権を握ってる感じなの?
…そう思って、なんだかモヤモヤして様子を伺ってたんだけど、次の小栗さんの一言でそのモヤモヤが解決した。
「ヤマ…お前、俺が乗れないの分かってて言ってんだろ?」
え?
乗れない?
山田さんが乗りたいもの→絶叫系、に小栗さんは乗れないの⁈
佐藤さんの視線は、小栗さんを心配するものだったのか!
それなら、朝の電話でごたついていた理由も分かる!
「えっ?オグ、克服したんじゃなかったの?りっちゃんとジェットコースター乗ったって、嬉しそうに報告してくれたじゃん?」
山田さんがいたずらっ子の顔でそう言った。
「チッ、覚えてねーよ」
え?
小栗さんってそんな報告を山田さんにするの?
う、嬉しそうに…?
乗れなかったジェットコースターに乗れて?
…ふふっ!
「でも、せっかく来たんだしさ、なんか乗ろーぜ!じゃ、室内の…これとかどうよ?そんなに怖くないよな?」
「あ、そうですね!」
山田さんの提案に、佐藤さんが頷く。
その反応。
小栗さんの事が気になるとはいえ、来たからには何か乗りたいよね〜。
ウンウン。
そう思って小栗さんを見ると、小栗さんは佐藤さんを見ながら渋々「じゃあ…」と頷いた。
ふふっ。
そうか、このカップルの決定権を握ってるのは、佐藤さんか。
強いのは佐藤さんの方なのかな?
小栗さんは、絶叫系怖い(苦手?)のに、佐藤さんのために乗っちゃうんだ。
見た目は怖そうなのに、意外と可愛いとこあるんだなー。
ってゆーか、佐藤さんに甘いのか。
ふふふ…
心の中で笑いが止まらない。
そのうち、顔にニヤニヤが出ちゃいそうだよ。
やばい。やばい。
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