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【番外編】小栗雅治、語る …1
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それは、10月のある金曜日。
俺は九州の出張から、陸の待つ家へ直帰した。
時刻はもうすぐ20時。
玄関のドアを開けると、いい匂いが鼻をかすめた。
「おかえり」と駆けつける俺の恋人。
靴を脱ぎながら「ただいま」と声をかけて陸を抱きしめた。
あぁ…疲れにはこれが一番効く。
リビングに入ると、テーブルには豪華な食事が並んでいた。
「誕生日おめでとう!」
と言う陸の言葉とシャンパンが出て来て、そう言えば先日誕生日だったことを思い出した。
心が温かいもので満たされる。
家族っていいな、と改めて感じた。
かなり腕を上げた陸の食事は、文句なしに美味かった。
食事の後、プレゼント(靴)をもらって、テレビを見ながらシャンパンを空にした。
陸がモジモジしながら「先にお風呂行って?俺、洗い物するから」と、言った。
フッ…可愛いヤツ。
この後のことを、意識してるのだろうか?
もちろん。今日は寝かせるつもりはない。
何せ(出張のせいで)2週間ぶりに陸に触れるんだ。
本当は今すぐ押し倒したいくらいだけど…一緒に住んでるのにガッつくのもダサいと、我慢する。
風呂を出ると、洗い物を終えた陸が、はにかみながらバスルームへ向かった。
「疲れてるだろうから、先に寝ててもいいよ?」と言い残して。
「ん」と適当に返事したけど…
寝るわけないだろ。
とりあえず、ベッドでスマホをいじりながら待つことにした。
…いや、寝たふりしようかな?
そして、陸が、ベッドに入って来たら……
………
あー。
ヤベェな。
考えただけで、興奮する。
それから…
陸がシャワールームから出て来た気配を感じてから、ベッドに横になって(ニヤけるのを隠すため)ドアを背にして寝たフリをした。
しばらくして、陸が寝室に入ってくる。
ドア付近で立ち止まって、俺の様子を伺っているようだ。
…けど、なかなかベッドに近付かない。
寝たフリがバレたのか、もしくは、寝てるからショックを受けたのか。
寝返りを打って、陸の方を見ようとした時、陸が照明を豆電球に切り替えた。
寝る、か?
いや、寝かせる気はないからな。
陸がゆっくりとベッドに近づいて来て、ベッドに「ギシリ」と乗った瞬間、俺は陸を引き寄せた。
「ひゃっ!」と、可愛らしく声をあげて、陸が俺の上に覆いかぶさる。
良い匂いのする陸を腕に閉じ込めて、その香りを堪能した。
陸は、俺のために色々と努力してくれている。
そんな事しなくても、十分可愛いのに。
肌ケアしたり、こうして良い匂いをさせたりして。
…あれ?
なんか、陸の抱き心地がいつもと違う。
抱き心地と言うか、手触りだ。
どうやら、着ている物がいつものパジャマではない。
…何だ?
心なしか、陸の動きもぎこちない。
と言うか、緊張しているようだ。
「あ、あのっ!…ちょっ、と!」
ん?
俺は体制を変えて、陸を組み敷くように覆いかぶさった。
そして薄明かりの中で、陸の着ているものを認識して…
絶句した。
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