アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
お返し1<×洸>
-
何でこんなことになったんだ。
今日は珍しく仕事が早く終わった。
22時前に会社を出られるなんてもう何週間ぶりだろう。
洸は急いで帰り支度を整え、会社を後にした。
コンビニで弁当と缶ビールを購入してから、自宅へと向かう。
どうせ今日もあいつの方が遅いのだろう。
部署柄、残業続きの同僚の顔を思い浮かべながらビニール袋片手にマンションへと歩みを進め、扉を開けようとして違和感に気がつく。
開いてる?
「…珍しい。俺より早いなんて」
部屋には明かりがついていて、田辺和人の姿がそこにはあった。
彼の姿から、もう風呂まで終えているようだった。
「おかえり。部長が、たまには早く帰れってさ」
和人の眼が洸を捉えると、その口元が少しだけ緩む。
洸はへえ、と小さく漏らしてから部屋へと入り、買ってきたばかりの弁当と缶ビールを机の上へと置いた。
その様子を見ていた和人がソファから立ち上がる。
「鈴村、先お風呂入ってきたら?準備しといてあげるから」
自分よりも遅く帰ってきた洸に対する気遣いのつもりなのか、優しい声で微笑む和人に、洸は眉根を寄せた。
「準備って、別にレンジで温めるだけなんだけど」
「…可愛くないなぁ。それをしといてあげるって言ってるのに」
怪訝げな表情を浮かべながらも、和人の厚意に甘えるようにじゃあ頼む、とだけ告げると、既にお湯の張ってある浴室へと向かった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
7 / 56