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本音7
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狭い浴室にむっと広がる蒸気と、体内に残るアルコールと、洸が与える熱。
そのすべてが合わさって、頭がぼうっとする。
それに気付いた洸が、手早く自分の体と和人の体を洗ってから、腕を引いて浴室を出た。
タオルで軽く体を拭いてから、和人へと視線を向ける。
「悪い、まだ酒抜けてなかったよな。ベッド、行こう」
洸は、いつだって少し意地悪で、そしてとても優しい。和人の赤くなった頬をタオルで軽く撫でてやってから、その掌へと自分のものを重ねる。
まるで恋人同士がするみたいに、指と指を絡めて手を繋ぐ仕草に、思わず和人は頬を緩めた。
そして互いにタオルだけを纏い、洸に引かれるままに寝室へと向かう。
まだどこか顔の赤い和人を優しくベッドへと寝かせ、洸がその上に馬乗りになると、和人はゆっくりと視線を持ち上げた。
もう何度となく見た、洸の欲情した瞳が揺れる。
洸がそのままゆっくりと和人の首筋へと唇を寄せて、そこに舌を這わせていく。
たったそれだけでも、もう体が熱い。甘い息を吐き出しながら、小さく喘いだ。
「洸……」
ゆっくりと手を伸ばして、自分の首筋に吸い付く洸の髪をそっと撫でる。
ざらりとした舌の感触ですら、洸が与える刺激だと思えばたまらなく気持ちが良い。
熱に浮かされたような声で彼の名前を呼ぶと、ちく、と首筋に軽い痛みが走った。
その痛みが、彼の自分に対する独占欲の証のように思われて、和人は目を細める。
キスマークを付けられて、そんなことが嬉しくてたまらないなんて、俺は本当のバカだな。
思わず自嘲気味に笑ってしまうと、唇を離し、顔を上げた洸と視線が合った。
「……前から思ってんだけどさ。お前、たまに俺のこと、洸って呼ぶよな」
「あ…ごめん。嫌だった?」
「まさか。もっと呼んでよ。…和人」
どき、と心臓が高鳴ったのがはっきりと分かった。
名前を呼ばれただけなのに、まるで初めて人を好きになったかのように鼓動が速くなって苦しい。
洸の唇が弧を描いて、もう一度和人、と漏らした後、その柔らかな唇が重ねられた。
洸とのキスは、いつも何も考えられなくなる。
中へと入り込んでくる舌が、器用に口内を蠢いて和人の弱いところを的確に刺激するのだ。
時には優しくなぞるように、時には呼吸すら奪われるのではないかというほど激しく口の中を犯されて、結局いつもされるがままになってしまう。
先程彼に下手くそ、と笑われた通り、自分が主導権を握ればこんな風なキスは出来ない。
異性と付き合った人数も少なく、一通りの経験はしてはきていたものの、こんなに性行為に夢中になったのは洸とが初めてだった。
「ん…、ふ…っン」
舌が絡み合い、互いの体温が交わっていく。
その、蕩けそうなほどの気持ち良さに、和人は再び中心に熱が集っていくのを感じていた。
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