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本音9
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根元を押さえたまま腰を打ち付けると、和人が呻くように喘ぐ。
ぴくぴくと中心を震わせながら、射精できないもどかしさにその綺麗な顔を歪めている。
「…っう、あ…ッ」
容赦なく奥を突き上げられると、行き場のない快楽と熱に頭がどうにかなりそうで、和人は洸の腕を離させようと手を伸ばす。
しかし、それに気付いた洸が、そんな些細な抵抗すら許さぬようにと腰の動きを変化させる。
和人の弱いところを、洸はよく知っていた。
伸ばそうとした手は虚しく空を切った後シーツを掴むのに精一杯で、頭が焼けそうな快感に和人は身悶えた。
「あっ!も、イく…っ、イきた…アッ」
「もうちょっと我慢しろ」
頭を振り、どうしようもない熱さに声が漏れる。
恥を捨てて射精したいと訴えても、洸はそれを赦さない。
変わらず集中的に奥を突き上げられ、その度にぐぐっと中を締め付けてしまって、文字通り逃げられない快楽に思わず涙が零れた。
「和人、今日は何であんなに不機嫌だったの?もしかして、ちょっと嫉妬してた?」
顔を近づけて、頬を伝う涙を舌先で舐め取ってから洸が自信たっぷりに笑う。
和人は彼のこの表情がとても好きだったが、今日ほどそれを憎らしいと思うこともないだろう。
わざと腰の動きを緩めるその動作すら憎らしい。
けれど、この質問に答えなければ、自分が熱を吐き出せることはないのだと和人は理解していた。
イきたい、という動物的欲求と、僅かに残る理性が鬩ぎ合う。
でも、もう、早く楽になりたい。
「…っあ、そうだよ…、山本さんと、あまりにもお似合いで…俺の知らない顔を、洸がしてたからッ、なんか、寂しくて…っアア!!」
言い終える前に、洸が腰を打ち付けながら根元を戒めていた手を離し、和人は大きく身を震わせて射精をした。
それとほぼ同時に、洸も体をびくっと震わせて、和人の中へと吐精する。
肉壁の中へと生暖かいものが注がれていく感覚に身震いをしながらも、それが嫌だとは思わない自分に呆れてしまう。
それどころか、嬉しいだなんて馬鹿げた感情を抱いてしまうほどに、目の前のこの男に夢中なのだと認めざるを得なかった。
ずるりと洸のものが引き抜かれると、吐き出された白濁がゆっくりと流れてゆく。
本当はこんな女々しい感情を知られたくはなかった。
遊び人である彼に、こんな幼稚な独占欲を持っていることを知られたら、面倒だと切り捨てられるかもしれない。
それが怖かった。
しかし、今、自分を見下ろす彼の表情は、面倒からは程遠い、とても嬉しそうな顔をしていた。
まるで、素直ではない恋人が、初めて独占欲を露わにしたことを、とても喜んでいるかのような、そんな表情だった。
洸の長い指が、和人の前髪をゆっくりと撫でる。
こんな顔をされたら、また勘違いしそうになってしまう。
自分だけが特別なわけではないはずなのに、自分が、彼にとって特別なのではないか、と。
洸が、好きだ。
その言葉は、言わなかった。言うつもりもない。
好きだ。
きっと、口に出すことはないであろう本音を、心の中で一度だけ呟いた。
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