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生易しくない無難な物。❸
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いっ……てえ…
赤城に触れられたのを痛いと訴えるという事はこちらを一方的に嬲れる相手に弱点を晒す事だということを完全に忘れていた。
俺はスパイで、情報を盗み売ろうとしていた奴で、そんな俺に社長である赤城が何をしても別に問題にはならない。
そう、人道的である必要が無いのだ。
増して俺は失敗したとはいえ赤城に切っ先を向けた奴だからな。
俺も、口では文句やら嫌味やらをブチまけるが枷で引き伸ばされた身体では…いや、俺がナイフを持っていて赤城が素手でも抵抗は出来ないが、取り敢えずそんなことをは置いておいたとしても。
弱点を晒すとマズい事は口が酸っぱくなる程言い含められていたというのに早速何をやってるんだろう、俺は…。
俺の顰めてしまった顔を見てニヤと妖しげな、コホン、気持ち悪い笑みを浮かべている赤城を見て”もう絶対に何があっても余裕そうな態度を貫く”と若干引きながら心に決めたのだった。
「…っ、…んで?何してんだよ」
「先に言った通り、無難なつまらない事をする為の準備だ」
跨ったまま、俺の触られるだけで辛く、先走りでトランクスに染みを作っている、中途半端に反り返ったペニスを弄りながらさっきから何か作業をしている赤城を問い詰めるが答えらしい答えは返って来ず。
つまらないならするなよ
と苛だつも”もう絶対に何があっても余裕そうな態度を貫く”が頭を過ぎった。
もしここでそれを言ってしまえば怖がっていると捉えられかねない。
第一、つまらない物なら俺にだって余裕で耐えられる筈だ。
無難って何処までが無難なのかよく解んねーけど。
「ふん、あんまりつまらなくて幻滅させるなよ?」
精一杯余裕そうな、いや、普通に余裕な態度を余裕だから取った俺を一瞥し赤城は即答する。
「あぁ、今少し弄られたのだけで歯を食いしばって耐えている子供にはつまらなくなんて無いだろうから安心しろ」
「っ⁈」
な、なんでバレてる⁉︎
「お前との雑談もそろそろ良いだろう。じゃあ俺は四時間後にまた来るから」
「は?お前…居なくなるのか?」
俺の他愛も無い疑問を完全に無視し、紛れも無くスパイの俺を置いてベッドから立ち上がり部屋から立ち去ろうとする赤城。
そんなの、俺に逃げろと言っているようなものじゃないか。四肢を繋ぐ手錠を外す隙を敵に与えてどうする気だ…?
疑心と嬉心と嘲笑心が綯い交ぜになった声で疑問点をぶつけるとそれを聞いて俺に笑いかける赤城。
だがその目は冷たくまた口は新月に近い三日月のように恐ろしく開いてこう言った。
「断言する。伊勢谷 翔、お前は俺を心から待ち望むだろう。」
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