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生易しくない無難な物。10 赤城side
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「ただいま、伊勢谷」
「っうぅ………ぁ…」
革で擦れたのか両手足が血に濡れている。
突然点灯されたライトにやられないようにと瞬時に瞑った目からは涙が溢れ落ちていて。
泣き過ぎて赤くなった美しい顔を濡らす水はシーツをも湿らせている。
そして身体だが…これはまた酷い有様だった。
出し終えた白濁が腹や顔にまで飛んでいて、それを出した男根は萎えられず未だ震えている。
否、震わされている。
行く時に付けたローターに絶えずイかされた所為で過敏になったトコロは反り立ち、もう出せもしないというのにビクビクと振動に任せている。
よく見ると全身が小刻みに震えていて、カシャカシャと鎖の音が鳴っているのが解る。
下半身は特に酷いけど。
伊勢谷は耐え切った。
俺を待ち望み、耐え抜いた。
あとは乞うだけだ。
「な……で……」
「おい、伊勢谷。寝てないだろうな?」
捕縛されたスパイに相応しい見た目になった、と笑みを浮かべながら震えている顎を掴んでこちらに向ける。
光に慣れ始めた目を開け、伊勢谷は俺の目を確かに見た。
その時だった。
「ぁ……で、な、で止ま、な……な、んで…!!」
伊勢谷は憔悴し切った身体をしならせ、自身をベッドの端々に繋ぐ鎖を引き千切ろうとしたのだ。
「…当たり前だろう、お前は俺に乞うていないからな。おい、伊…」
「はッ…ぁ、うぐっ、すっ…ゃ、だ、ぃゃ…」
終いには血に濡れた傷付いた腕や足を気にも留めずに暴れ出し、その無意味さと未だ動き続けるローターの辛さに本格的に泣き出した。
それを止める相手がそこに居るというのに、その声にまるで耳を傾けない。
子供のように駄々を捏ねているように。
「お前のやるべき事は泣くことではなく乞うことだ。
言え。止めて下さい、と。」
「ぅぁ、ぅあぁっ、も、ゃ、やだ、…んで、なん……」
意識があるならば答えられるはずだ。
無いならばただグッタリとそこに寝ているはずだ。
スパイ相手に乞うことを命じる事は大事なことだ。
その代わりに…と次へ繋げられる。
でも、これは、
スパイを相手にしているのに泣きじゃくる子供を相手にしているような、苛めたような不快感が残って。
「…ダメだな、これは」
遂に俺はスパイを相手にローターを止めてしまった。
恩情で、というわけではない。
ただ単に会社にとって利益にならない交渉の仕方をしてしまったことを後悔しながら、喚くガキを止めただけだ。
「へ、?は、……とま、た、やっ…た」
「そうだ。俺が止めたからな。おい、こちらを見ろ…伊勢谷!」
せめてもの意地で恩着せがましく言ったがそれはただ、無意味なだけで。
「ふは、ぁはは、ゃっ…た…ぁ、、」
それも伊勢谷の心から嬉しそうな笑みを見て何をやっているのだろうと、一人思う。
悦ばせるつもりなんて一片たりとも無かった。
それなのに、、本当にこいつの笑みを見ていると本当に負けた気がする。
ムシャクシャする。
腹の中が黒く渦を巻いた。
「出力が強過ぎて精神破壊でも起きたか。取り敢えず医者に診てもらう他ないな、、しかし、こんなにすぐ壊れるのか…このような奴は、初めてだ。」
寂しく独り言を言い、またちらりと下の奴を見た。
尋問可能か不可能かは重要な問題だが、伊勢谷が疲れで静まったのを見ると壊していても壊し足りないような気持ちに浸される。
なんならもう一度同じ時間放置させたっていい。
そんな事を思っているとスパイのくせにスパイの分際で目に付く穏やかな表情で、伊勢谷はすやすやと寝息を立て始めた。
その日常の延長線上過ぎる顔を見ていると、何故だか無性に居た堪れなくなって俺はそっと部屋を出た。
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