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楽なのに気苦しい物。 ❷
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『精神にクるのは恥辱の拷問だ。』
昨晩から今朝方にかけて、ずっと考えていた結果がコレだった。
中に溢れるローションが垂れるのを防ごうと穴を締めるも、薬の所為で熱さを増したアナルは俺の手に持つエネマグラを受け入れようと自然と開く。
淫乱な尻穴がヒクついている、と表現するのは或る意味正しいが、意図していない所まで本人の意思だと、無意識に刺激を欲しがっている…などと考えるのは危険だ。
意思疎通の儘ならない愚図のするプレイ、それはSMではなく只の勘違い野郎の独り善がりの気味の悪い拷問だからだ。
何が言いたいかというと。
目の前で鎖の付いた手を伸ばして俺に縋り、懸命に首を振る伊勢谷が、”嫌がっている事”が思わず顔を綻ばせるくらいに嬉しいという、俺の心情を理解しろという事だ。
分かるだろ?
尻穴がヒクついて受容する心構えが見え透いているから喜んでいるのではない。
俺は嫌悪される感情を否定したり捻じ曲げたりせず素直に受け入れている。
その上で、喜んでいる。
勝手に開く穴を懸命に締め、自らの許容や理解の範疇を超えた行いに正直に嫌悪されているから嬉しいのだ。
嫌悪されているから、拷問になる。
「やめ…っ頼む、から、なあ?!おっ、可笑しいだろ、こん、こんな…だ、だって、そこは、触るトコじゃ…」
畳み掛ける声も身体も震え、あり得ない理由を必死に説明する伊勢谷の声は良く聴こえる。
そして無視している。
ああ、とても気持ちが良い。
こいつは普通の倫理観を持っていてとても好ましいスパイだ。
痛みによる拷問と快楽による恥辱の拷問では耐え凌ぐ所が違う。
痛みは歯を食いしばれば耐えられるスパイが多い。
拷問とはそういうものだ、と教育され、或いは固定観念に囚われて、それに対するありとあらゆる対策を講じて来る物だからだ。
しかし快楽は違う。
耐える耐えないの問題ではない。
脳の髄に直接響く快楽の信号によって決して陥落しない事は無いからだ。
無論総じて苦しいが、固定観念の無い分焦り精神を過量に消耗させる物だと言われれば、矢張り恥辱による拷問の方が疲弊状態を作り出し易い。
というか、そちらの方がする側の人間も楽だ。
壊れ易いのが玉に傷だがローター回して置いておくだけで良いんだ、絶対に好都合なのに何故誰も気付かないのか。
「いくぞ」
「や、やめっ!!…ぅっ…ぁああ!!!」
耐性の無いスパイにとって尻穴に入る異物は正に異物だ。
エネマグラという棒などこれまで何かをアナルに入れたこともない伊勢谷にとって只の脅威、それも見知らぬ脅威だ。
未知との遭遇が恐ろしいのは誰でも同じなのだから。
「あぁ…ぁぁ、ぁ…」
伊勢谷の顔は急速に蒼ざめていく。
一度もされた事のない、出すだけだった穴を逆流する動きをするエネマグラ。
ローションで滑りの良い穴に棒が入っていくのが感覚でも視覚でも聴覚でも分かるのが恐ろしいのは無理も無いが、これは只の棒では無い。
男の最大の性感を引き出す立派な性道具だ。
「ぁ…ぁ…っ?なんっ、」
手の平、親指の下辺りの柔らかさの中にコリッとした部分が存在する。
開発を経なければ刺激を受けても違和感を感じる程度のソコを、じんわりと押し続け開発を推し進めるのがエネマグラという機器の役割であり存在意義だ。
じんわりとという表現は違うか。
アナルの違和感と無意識で締める度に、前立腺を確実に蝕んでいくのだから。
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