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楽なのに気苦しい物。❹
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「…っの、くそッ」
エネマグラによって的確に圧される前立腺が痺れのような快楽を少しずつ生み出す頃。
自身を甚振る尻穴に嵌った抜く事の叶わない異物を確認する為、翔は天井から吊られた鎖を引き寄せ、少し起き上がった。
寝た状態よりもエネマグラが奥まで入るほか、意識した事によりやたらと穴を締め付けてしまう体勢。
当然刺激も強くなる。
強制されたわけでも無いのにスパイを責める側にとって都合の良い体勢になった翔を見て、赤城はほくそ笑みながらその頭や背中の下に大きなホテル用の枕を置いた。
しかし下半身が気になっている翔は赤城の動きは自らを害さないものと判断して無視している。
未だ微弱な快感しか起こさないコレが媚薬など関係なく躰の内を変えてしまう程、害を及ぼす感覚を知らないからだ。
漠然と恐れは抱いていても、知らない快楽を詳しく想像しろと言われても出来ない事は仕方無かった。
「止めろ、抜け」
更に身動きのし辛くなった身体には関せず、ただ何処と無く恐ろしい棒を抜けと翔は赤城を睨みながら言う。
当然ながら答えはNo、だがその後に続く言葉は再度翔の理解の範疇を超えるものだった。
「怖いか?…なら好きにやめたらいい」
「コレを動かしているのは”お前自身”なのだから」
「はっ…どう、いう…意味」
無意識に身体を震わせながら悪態を吐く翔を見下ろし、良い気分になった赤城は気前良く答えた。
電源など入れていないエネマグラは穴の締め付けに連動する事によってのみ動く。
しかし、それは彼には分からない。
分かっていても対処のしようもない、抗うことなど不可能な物だが、翔は希望を乗せる。
何らかの形で自身が動かしているという棒の、スイッチを切る事が出来れば赤城の策略から逃れることが出来るからだ。
あわよくば脱出…そのような事も考えて僅かにほくそ笑む翔を見て、赤城もまた内心で嘲笑した。
「初心者の表情の移ろいを観察するのも楽しいが…飽きたな。」
翔の描く絵空事など手に取るように分かるが社長である彼には確かに時間が無い。
脱出する隙でも与えてやろうかと赤城は部屋を出ることにした。
「あ、っ飽きた、なら…外せ!…っぁ、くそっ!!」
「それじゃ、適当に時間が経てばまた来る」
適当に翔の叫びを躱して赤城は部屋を出た。
そう…”赤城は”。
「後は頼むよ」
赤城よりは少し背の劣る眼鏡の似合うインテリ系の容姿。
こんな容姿でいて仕事は、まあ、出来るとは言えない。
堅物で真面目で優しい、人に仕事を分配する采配は認めるがしかし抜けている。
そんな人物が何故周りに大勢の出来る者の居る赤城に認められ信頼され、部下の誰をも入れた事のないこの部屋に入る事が許されたのか。
「分かりました、社長」
答えは至極簡単な事。
眼前に姿を現わすだけでダメージを与えられるからだ。
『……脱出…ねえ、してみれば?』
赤城の嘲笑が聞こえてくるような状況に翔は元々大きい目を更に抉じ開ける。
「ぁ…なん、で…」
そこには、自身の経歴を偽っていた頃に信頼を寄せていた、部長が居た。
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