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楽なのに気苦しい物。12
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「愉しんでるみたいだな?」
「…ッの…!!」
何度目かの連続した絶頂に焦点が合わなくなった状態、それでも尚、認識出来たのは自分をこの状況に置いた赤城だった。
翔はイキがる為、まだ余裕である事を見せる為に悪態をつこうとする。
そんな翔のエネマグラは一旦止められ、しごいていた手も社長の登場で止む。
それは止まっていた思考を巡らせた。
(部長が、居る)
自分はスパイで、赤城はその事を認識している。だから赤城に悪態を突こうと蹴ろうと殴ろうと、やりたくて、そしてやれればそれは咎められる事も無い。
でも部長の中で自分は一介の新入社員。
たとえ俺がこんな憂き目に遭っている事が分かっていても、本人の居る場所で、社長である赤城に悪態を突いたら?
それに部長は言っていた。
詮索はしない、と。
俺がスパイである事を知らないし、赤城は一ノ瀬部長に教える気も無い。
そんな状況で俺が悪態を突いて、反論した赤城が俺がスパイであるような事を言ってしまって、部長が知ってしまったら?
一ノ瀬部長は、…始末される?
「…す、みません、…でした、社、長」
「…。」
「もう、二度と、…しません、から、、」
部長には関係無い事だ。
ヘマしたと言われている部下の俺がした事で、部長の人生まで狂わせたくなんてない。
部長は優しいんだ、俺は露骨にミスもしない平凡なスパイを演じていたけど、その俺にもいつだって親切だった。
今だって、そう。
誰も、誰もやりたがらない男のモノを抜くという行為、そんな罰ゲームみたいな事を部長は引き受けてくれた。
だから、そんな優しい一ノ瀬部長が、俺の為に全てを終わらせるだなんてあり得ない。
あってはいけない。
「あ、あの、…社長、伊勢谷もこう言っていますし、」
「一ノ瀬。俺も許してやりたい気持ちはある。それでも反省が足りなければ仕方の無いことだ。」
「足りない、のですか?」
「ああ、見れば分かるだろう。
俺がいつ、
手出しを認めた?」
「…は?」
「な…」
赤城の顔は不愉快そうに歪む。
社長の機嫌を損ねた、それだけで部長は真っ青だ。
…じゃなくて、、
ああ、これ、ヤバい?
「伊勢谷。一ノ瀬は優しいからお前が強請れば確かにその通りにしてくれるだろう。
…しかし、それを望むということはつまり、俺の許しを放棄したということ、そうだな?
なにせ解放条件は一人で耐え切る事なのだから。」
…。
は?いや、聞いてな、
「それを知っていて心優しい部長を利用して自らの意思で条件を放棄した上に、もうしないから許せ、だと?
…残念ながら、そこまで甘い世の中ではない。そんなだから…」
「わ、っわかりました!!社長、すみません、動揺して、その、罰!罰なら受けますので!」
だから…の後に続く言葉が怖くてつい遮ったけど、これからどうしようか。
聞いてないとか言っても、聞いてすらいなかったのかとキレられるだろうし、何より小心の部長のHPはもう0だ。
つーか、もう辞めたい、こんな茶番。
部長にこれ以上こんな姿を見せるのも辛くてしょうがないし、赤城なんかにここまで敬語使わなきゃいけないのも面倒だ。
「罰…か。確かに、そうしなければ面子に関わるが…生憎考えてきて居なくてな。
何が良いと思う?一ノ瀬。」
「わ、私です、…か?」
「なら本人に考えさせるか?甘くなりそうだが。」
「い、いえ、いえ、私が…私、が…。」
赤城の無茶振りに戸惑う部長、不愉快そうな顔で俺を睨む赤城、そして先程の体力消耗で疲れた俺。
居た堪れなさ過ぎて笑えない状況が続く。
部長に聞いても仕方無いのに、一体何を考えているんだか。
そんな、呆れる翔が飽きて壁を見つめ始めた頃、赤城は一人スイッチを再度握り締めて、そして。
「あ!っ、ふ、ぅっ、んな!!?」
一気に最高まで上げたエネマグラは、落ち着きを取り戻した内壺を刺激し、一点を叩き上げて振動する。
それに驚いた翔が少し掠れた声を上げつつ尻を見ると、カウパーとローション、精液に塗れながら、萎えてすら居ない自身が揺れるのが確認出来て。
おまけにそれを見た結果腹に力を入れてしまい、エネマグラをキュウと締め付けた。
「ヒッ、ア!!」
少々の休みを取ったとはいえ、振動と共に押さえ付けられ調教されていた前立腺が鈍さを取り戻す訳はなく、締め付けと共に叩き付けられた快感は、そのまま脊髄を伝って脳へと伝導する。
声は抑えられない。
腹が前後に動くのさえどうにもならない。
そしてここまで気持ちが良いのに、誰も触れてくれず触って貰えないのには変わりが無い。
「…何をしている?伊勢谷」
「おい…!今は、静かにしないと…!!」
赤城の冷たい顔と部長の焦った表情とが同時にこちらを見る。
でもどうしようもない。
こんなのどうしようも出来ない。
「ア、ア、ッァア!!…ッく、ぅ、い、や、こん、…な、」
「伊勢谷、静かにしないと…」
「はっ、アッ、う、ぁ、すみ、ま、ヒァッ…せっ!で、…も」
出そうなのに、さっきなら出せていたのに、出せない。
何故なら誰も触れてくれていないから。
そうじゃない。
出しちゃいけない、何故なら空気を読まなきゃいけないから。
でも、それでも、、
「出し…た…っあ、ぅ、ぅうっ…な、グッ…!!」
溜まっている。
また玉に作り出した液体が溜まっていて、パンパンで張っていて、出したくても出せなくて。
痛くて。
苦しくて。
悲しくて寂しくて。
「…。」
何より惨めで。
赤城の冷たい顔が俺を見る。
ただ、何も言わずに。喜んでもいないし、嫌そうでもない。
ただ、空気の読めない俺を心の底から蔑んでいるようで。
「ふっ…ぁ」
何故だろう、涙が出てきた。
見知った人の前で恥かいて、強がらないといけない相手の前で泣いて、空気も読めずに出そうとして。
今なら死んだって構わない。
構うものか、さっさと何処かへ行ってしまいたい。
でもその前に、
「出し、ぁ、、た…ッッ!!」
棒がまた強く強く変わった気がした。
振動が尻全体を包み込んで居て、直に感じている筈の前立腺は溶けてしまっているのか、自身の痙攣で何が何だか分からない。
それでも視点が明滅して、焦点もまた定まらない。
だから目を閉じると刺激を余計に感じてビクついた。
熱い玉は液体の作り過ぎで壊れそうな程ヒクついていて、熱く硬いソレは何処に入れる準備も整っている。
弱い裏筋もカリもヒダも根元も先端も穴も、全てが疼いて堪らない。
「助、け…ッ、ヒッぁ、ああっ、ああッ!!」
機械の駆動音と鎖の音と、部下の濡れた声と先程からグチャヌチャと音を立てて止まない部下の自身が、この場の冷えた空気を壊す。
そんな頃、一ノ瀬は板挟みに遭っていた。
「ああもう静かにしろって…伊勢谷…!!」
部下は遥か高みの社長の前で痴態を晒し、社長はそれを睨んでいる。
どうしようもない状況に慌てていると、ふと社長が一ノ瀬を呼んだ。
「一ノ瀬。」
「は、…はい!」
「”出させるな”。
罰はそれでいい。」
空気が凍ったように感じる。
部下は限界を訴えていて、その状況でのこれは、というか、罰は考えろと今、ああだけど、罰なら丁度いいのか?
でも、、
「…え?いえ、しかし、その」
「社長”命令”だ。嫌だろうが、こいつに苦しみを与えるのはお前の仕事だと俺が決めた。
…すまないな、迷惑を掛ける。」
ためらう部下に社長が放り投げてくる言葉はとても強い。
こんな命令が来たら従うより他はない。
それも、喜んで。
「い、いえ。貴方がそう、仰るのならば、その通りに致します、社長。」
すまないな、伊勢谷。当分は出せそうにない。
心の中で謝りながら、俺は…自分が何故か興奮している事に、まるで気が付いていなかった。
「…愉しんでるみたいだな?一ノ瀬。」
赤城は言葉の最後を飲み込んでいた。
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