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楽なのに気苦しい物。13
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2、3度白濁を零し腹を穢した男根から、溢れる先走りが下の二つの玉まで濡らす。
どこを突いているのかイマイチ分かってないが、きっとイイ具合の所でもあるのだろうと半ば無理矢理に納得して。
尻の穴という非常識な場所に棒を入れられている姿は、その体毛が薄い事もあって女みたいだ。
少なくともハーフかどうかは確実であるその白い身体は、棒の振動に揺さぶられてか痙攣までしている。
「ヒッ、イ!!!」
外に出た棒を下に押せば反対側は上側を押す。
そこに良い部分があったのか、涙をシーツに落とす顏が綺麗に歪んだ。
「わ、悪い」
「い、…から、、」
理性まで吹っ飛んだのだろうか?
俺相手に女のように強請る翔は、無意識なのか、本能なのか、嗚咽を洩しながら前後に律動していた。
何も無い空間を犯す動きをする翔のソレの裏筋にそっと手を当てる。
「アッ、あ、あ、っぅあ、あ、…あ」
一刻も早く出したいのだろう。
この手を裏筋に擦り付けている。
先程抜いた時は玉を揉んでいたその手は、何にも濡れてはいなかったのに、今溢れたばかりの先走りであっという間にドロドロになった。
「ぁあ、っう、…ぁ、で、出…」
「す、すまない…!」
「…へ?…ヒッ!!」
出す事のみに集中して、先走りに濡れたソレを俺の手に押し付ける伊勢谷の緩んだ顔は、唐突に変化した。
”出させるな”そんな無情な命令を忠実に履行するつもりはあるが、…。
先端を抑えるのと根元を抑えるの、それか玉の根を締め上げる事、どれが伊勢谷にとって最も苦しいかは…経験の無い俺には判別出来なくて。
伊勢谷の気持ち良さげな声に、悩む暇は無いと焦り、その結果…手の平に押し付けられていたソレを強い力で握った。
「痛…部、ちょ…ーーッ!!」
「わ、悪い、我慢してくれ…!」
痛いとは思うし、俺なら多分殴ってるけど、ここで手を弛めれば伊勢谷が腰を動かしてただの手コキになる。
盛り上がれば盛り上がる程、辛くなるのは部下なのだと震える自分の手を叱咤激励して力を込める。
痛いんだからきっと萎える筈だ。
何故なら、きっと俺なら萎えるから。
「…。」
「伊勢谷…?」
痛みで置いてきた理性でも取り戻したのだろうか、伊勢谷は先程まで焦点の合っていなかった目をこちらに向けた。
「…ぁ…?」
「伊勢谷」
「く、…ぅ、…ん、んー…ッ」
「伊勢谷」
「ごめ、…なさ、すいま…せ、」
伊勢谷は急に主旨を思い出したような顔をして、赤らめた頰を吊り上げられた腕で隠す。
そして嬌声の漏れる口を腕で塞ぎ、息を整えてから謝罪の言葉を僅かに紡ぐ。
その顔はもう髪で見えなかった。
「あ…の、そ、っ…のまま、ぁ…で」
「いいのか」
「ーッ!ぁ、は、いッ」
俺の声でココを凝視したようで、すっかり理性を取り戻した伊勢谷は恥ずかしげに目を逸らした。
それほど長くはない茶髪だが、しかし今は汗で元の癖っ毛が濡れて若干長くなっている所為か顔を隠している。
何とも無いような素振りを続ける上半身とは裏腹に、伊勢谷自身は何度もビクついていた。
痛みで萎えるかとも思ったが、どうやらそれは無いらしい。
この下に刺さってるこの棒が、振動音を立てて中を掻き乱しているからかもしれない。
その振動でコレも若干揺れている。
「…。そうか、このまま…」
腕で抑えられてはいるものの、それでも少しは声が出る。
この部屋に鳴る音は、時折身じろいだ時の鎖の音とベッドの音、棒の振動音と、それから口から流れる嬌声…それからシーツへと流れる先走りの水がピチャピチャと立てるものだけ。
無情にも社長はまだ赦す言葉を発さない。
その社長を思わず伺うと、怜悧な目が俺を見ていた。
…もう、いいだろ。
もう、十分じゃないか。
人間としての尊厳をここまで深く傷付けられた事を、眼前の部下はこれから事ある毎に思い出すに違いない。
これでも信頼されるように振る舞ってきたつもりだ。
その俺にこんな事をされて、心に傷一つ付かない筈は無い。
だから、もう十分だ。
もう、止めてやればいいじゃないか。
俺がそんな目をしていたのかは分からないが、社長は俺を見て何故か微笑を浮かべた。
まだ、駄目なのか。
こんな事を、まだ続けて、まだ深く傷付け続けるつもりなのか。
恐らく途轍も無い事をしたのだろう、悪いのは伊勢谷だとしても。
こんな事…
覚え…
『覚え』?
…そうか。
いや、そんな、事は。
伊勢谷の髪を余った左手で払う。
綺麗めに整ったその顔は泣き腫らされている。
涙は絶えず溢れ出ているが、その目はぴったりと閉じられていて、眉を潜めてこの現実を直視する事を避けているようだ。
恐らく、でも何でもない。
俺が加減をするまで、伊勢谷は確かに快楽に没頭出来ていた。
その時は羞恥も何もかもを感じては居なかった。
ただ、精液を出すか出さないかだけを考える事が出来ていて、ただ、俺の手と尻に集中する事が出来ていた。
それがどうだ。
今は俺が何も動かさずにいる事で少し余裕が生まれ、結果的には、…部下を羞恥の耐久の地獄で苦しめているのでは無いだろうか。
しかも、きっと、快楽に酔った時の事を伊勢谷は覚えていない。
覚えているのは、今のこの時間のみ。
だから、伊勢谷をこの地獄から助けるには、寧ろ…。
「な、伊勢谷。」
…あぁ、だから、そんな筈が無い。
そんな事をしたら苦しめる。
このままジッと耐えさせてやった方がいい。
どうせ社長ももうすぐ止めさせるさ。
そうだろ?
…なぁ、”俺は”、どっちがいい?
「お前を助ける、為…だから。」
一ノ瀬は翔の尻から生えたエネマグラの先を勢い良く下に押した。
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