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勘違いと鈍感
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奏海と2人でランチをしてから数日
俺は至って普通な事に安心していた
あの日、確かに何だか心臓らへんが痛いようなチクチクするみたいな
初めての痛みに戸惑っていたけど
あの後家帰って寝て起きたらそんな痛みは何処かへと消えて無くなっていた
何かの病気ならどうしよー!とか思ってたけど何もないみたいで一安心で機嫌もいい
めんどくさいけど学校もちゃんと来たし
来たら来たで
ちやほやされて楽しいし
夜の相手も誰かしら見つかるわけだし
一石二鳥だね〜
何て事鼻歌歌いながらキャンパスの中を一人で歩いていると数日ぶりに奏海を見つけた
「かーなたっ」
「……おはようございます」
「ねえねえ、奏海今日暇?暇だよね?」
「あ、今日はバンドの練習あって」
「全然いいよー!30分もあればエッチなんて十分だし!」
「…………は?」
「なに?」
「先輩……もうそういうの言わないんじゃ………」
「俺、一度でもそんなこと言った?」
「………はぁー」
ニコニコしている俺とは反対に、
奏海はめちゃくちゃ嫌そうな顔をして盛大な溜息を零した
1回普通にご飯食べたからって
俺が自分の行いを悔い改めたとは限らないのに奏海って馬鹿だな〜
「そんな落ち込まないでよっ気持ちくしてあげるし」
「いや……だから俺はそういうのは嫌いだって……もういいですよ、そう言う事なら暇なんて一生来ません」
「ええ〜なんで〜」
「当然ですよ………もう俺いきますから」
「やだー!奏海がいいのー」
「ちょっ、先輩目立つから…!」
「ふふっじゃあ空いてる?」
「空いてません」
「……ケチ」
ギターなのかな?
黒いカバーに入れられたギターを持ちあげようとしている奏海の背中に抱きつく
わざと皆が見てるの知ってて大きな声で嫌だと言ってみたけど奏海はやっぱりケチだった
「本当、先輩と居ると目立つ…」
「あははっ奏海はお芋さんだから人に見られる事無いもんね〜」
「何でそんなお芋に相手しろって言うのか俺全然理解できないんですけど」
めんどくさそうに奏海がぶつくさと文句を垂れている
他の皆なら抱きしめ返してくれるのに本当に奏海はケチだ
ぶーとむくれて居ると奏海の気だるそうなやる気のない瞳がチラッと向けられる
やっとこっち向いた事に少し気分が良くなって何かと期待したら直ぐに逸らされた
「じゃあ俺行くんで」
「本当に行くのー?まだ話そうよ〜」
「先輩と居たらロクなことないから」
「……じゃあいいや〜」
「………」
「他に相手してくれる人探す〜ばいばーい」
奏海が相手してくれないなら仕方が無い
また無理矢理襲うのもスリルがあっていいけど今日はそういう気分じゃない
なんていうか凄い求めて欲しい気分だし
適当に誰かしらくっついてきた中から選ぼ
そうと決めたら早速行動と思ってヒラヒラと奏海に手を振って歩き出す
奏海と俺を見ていた遠巻きの中からコッチに向かって話しかけに来てくれた一番最初の子にしよっかな〜
そう思って迷いなく歩みを進めていた時
ぐんっと急に右手首を後ろに引っ張られて危うく倒れるところだった
「ちょっと!危ないだろ!」
「…………すみません」
「って……え?奏海?」
「…………」
全くどんな乱暴者だよって思って文句を言いながら振り返るとそこに居たのは奏海で驚く
俺から行くことがあっても奏海から来る事なんて無いし
今日は案外早めに身を引いたつもりだったけど日頃の恨み的なやつでご立腹なのかな?
「お説教なら聞きたくないんだけど」
「…言いたいことは山程ありますけどそうじゃないです」
「じゃあ、何?奏海が相手してくれるの?」
未だに手首を掴んだままの奏海を見つめながら期待を込めてそう聞いたけど簡単に一蹴りされてしまった
「違います」
「じゃあ何ー俺も忙しいんだけど」
「…先輩暇でしょ」
「ねえ、本当に奏海って失礼だね?」
当たり前みたいに暇人扱いされてイラッとする
奏海の事はまあ気に入ってはいるけど
それはあくまでも体の事であって
そういう扱いを受けて迄ニコニコするほど好きなわけじゃない
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