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仕置 Ⅰ【ヴィルside】
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朝陽が眩しい。僕はいつも通りの時刻,目覚まし時計が鳴る前に目を覚ました。
いつも通り完璧な一日が始まる。
ふと目をやると,隣で寝息を立てるミシェルの姿がある。
彼は些か僕のことが好きすぎる傾向にある。
僕は求められれば拒むことはあまりしないので,ミシェルにも与えてやる。
なによりヴィル,ヴィルと呼んで慕ってくるミシェルは可愛い。ものすごく。
他にもそうやって来てくれる子はいるけれどミシェルには敵わないな,なんてことを考えてしまう。
小さく寝息を立てる相手が愛おしい。僕に好かれようとして僕が好きなチョコレートの香りのするフレグランスをつけていることだってお見通し。健気なところがたまらない。
香りと同じようなチョコレート色の柔らかい髪を撫でてやってから僕はベッドを抜け出す。
基本生徒は相部屋なのだけど僕は監督生。一人部屋が与えられているわけだ。
昨晩のことは正直なところよく覚えていない。ミシェルが妙に強請ってきたって事くらいしかわからない。
だから鏡に映った僕の首のほんのりとした赤を見て目を見張った。
金縁の鏡で髪を整えようとした時に首筋の紅が目に入る。俗に言うキスマークっていうものだ。つけられる事はべつに構いやしないんだ。
だが問題は場所。
これじゃあブラウスを着たら丸見えじゃないか...!
「ミシェル..!」
良い気分だったのに。
まだ眠る相手を軽く揺すって起こす。眠そうな目を擦って彼が身を起こした。
「ん....なに...?」
「これ,どうしてくれるんだ」
わかっていない相手に向かってオーバーなくらい眉を顰め,首筋についた痕を見せる。
「あは,それ?僕ちゃんと言ったよ?我慢するんだからこれくらいは許してねって」
無邪気な笑みを浮かべる。全く...
悪びれた様子もなくブラウス一枚の彼はベッドから降りて僕に抱きついた。
僕の肩くらいのところから上目で見上げ,「怒ってる...?」とあざとく聞いてくる。
計算済みか,ミシェル...
半ば呆れながらため息をつき,覚えていないと伝える。こんなんじゃあ授業や朝礼には出られない。
ブラウスに通そうとしていたリボンを持つ手をだらりと下げ,其の儘デスクに寄りかかる。
仕方がない,と思案を巡らしたあとに部屋にある電話を取る。
「おはようございますリードリッヒ先生。今日は体調が優れませんのでお休み致します...ええ,大丈夫です,うつしてはいけないので人を近づけないでください」
朝礼くらいは出たかった。
そんな事を思いながら電話を切る。
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