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ご褒美Ⅰ 【ミシェルside】
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ジリリリ....
「うぁっ...!」
突然僕の頭の上でけたたましい音がなった。驚いてがばりと起き上がり,辺りを見回す。
大好きな翠の瞳がこっちを見ていた。
時計を見る。12時。いつの間にか寝ちゃってたみたいだ。
ヴィルの横顔や後ろ姿をみているあいだにどうやら眠っていたらしい。
目覚ましは...ヴィルがかけてくれたの?
優しい。やっぱり大好き。
「ヴィル,時間」
急かすような口調で時計を指さすとヴィルは勿体無ぶってゆっくりとした動きで僕の隣に座った。
僕は両手を伸ばしてヴィルに強請る。
「ヴィルぎゅうして」
唇の端を上げてヴィルが妖艶に笑う。早く僕を愛して欲しい。ぐちゃぐちゃにしてほしい。
また焦らすような動きでヴィルが僕を抱きしめる。ヴィルの心臓の音が聞こえる。どくどくという規則正しさの音を聞くとヴィルを強く感じる。
「よく頑張ったね」
元はと言えば僕のせいなのにヴィルは褒めてくれた。ふふ,と気恥ずかしさを紛らわすために笑ってみたらヴィルは髪を撫でた。
少し体を離してヴィルがベッドサイドにおいてあった綺麗な瓶に入ったチョコレートを食べた。僕にはくれないのかな。
ヴィルがまた近づいてくる。何をするのかと思ったら優しく唇を塞がれた。
「んっ...」
まさかヴィルからキスをもらえるなんて思ってなくてそれだけで僕の体は熱を帯びる。それだけじゃない。さっき食べたと思ったチョコレートを僕の口の中へ口移しで入れる。ヴィルの唾液でちょっと溶けたチョコレートが侵入してくる。
甘い甘いチョコレートの味と香りはますます僕を熱で支配する。
かり,と噛めば中からはとろりとしたウイスキーが出てきた。ウイスキーボンボンだったのか。
ヴィルが唇を離した。快感の息苦しさから解放される。チョコレートの香りがふわりとヴィルの薔薇の香りと混ざった。
まさかこのまま終わりじゃないよね?
少し顔を曇らせる僕。
それをみてヴィルはくすりと笑った。
「僕に触れられず,どんな気分だったんだい?」
ヴィルが僕の髪の匂いを嗅ぎながら聞いた。
そんなの決まってるじゃないか。
「辛かった」
ベッドの上だがヴィルに跨るようにして膝の上に座る。僕の答えを聞いてヴィルは満足そうに笑い,僕の体へ手を這わせる。
「んぁ..っヴィル...」
ただ素肌をさらりと撫でられただけなのに,声が漏れてしまう。
ヴィルに触れられなかった数時間分を埋めるかのように僕はヴィルにもたれ掛かってその髪に触れる。
ヴィルの手がやけにいやらしく僕の体を撫でる。でもそれが嬉しくて仕方ない。
「僕の可愛いミシェル」
甘く低い声で,僕の耳元で,ヴィルが囁いた。
ヴィル,もっと僕の名前を呼んで。
僕を愛して。
「...僕はヴィルだけのものだよ」
強請るような,甘えるような声でヴィルに言う。ヴィルの綺麗な手が僕の頬を撫でてだんだん下へ降りていく。
細い指で僕の胸の飾りを挟んだ。
「ぁっ..ン..」
自然と声が出てしまう。
多分わざと見えるようにしてるんだと思う。僕のピンク色の突起をヴィルがつまんだり引っ張ったりする度に思わず艶声をあげる。
「ふ..ぁっ...ん..!ヴィル,ヴィル,愛してる...っ」
もっと,もっとしてほしい。そんな欲を胸のうちに秘めながらお返しと言わんばかりのヴィルの耳を食んでみる。
「あっ...っ」
ヴィルが声を出した。興奮する。ちょっと睨まれたけどなかなか聞けない声だった。
ちょっと怒ったヴィルが僕をベッドに倒す。その間に自分はベッドから降りて分厚い天鵞絨のカーテンを閉めていく。
きっと外にある庭から見られないようにだろう。
蝋燭の炎だけがぼんやりと浮かぶ。昼なのに夜みたいな真っ暗な空間。炎だけで照らされる僕らの体。ヴィルが輝く金髪を耳にかける。
「なんだかいやらしいね」
故意に作り出された部屋とヴィルの動作と妖しい雰囲気にのまれそうになる。そう思いながらベッドに身を沈めてヴィルに言った。
「美しいの間違いだろ?」
ヴィルは綺麗。何時でも。そう思うけど今は美しさより妖しさの方が強い。ヴィルを見つめていると,化粧台から細長いスティックを出してきた。
首を捻る僕を他所にヴィルは其れを僕の唇へと持って行き何やら塗りたくっている。
「何してるの?」
「ルージュだよ」
問いかければ答えが返ってくる。
ルージュ...?
「女の子がつけるやつ?」
「...そう,女の子がつけるやつ」
反芻しながらヴィルは少し僕から離れ,今度は自分の唇にルージュを塗る。その様子は本当に綺麗で,ただでさえ赤いヴィルの唇が真っ赤に染まり,興奮する。
ギシリ,とベッドにヴィルがのしかかる。
その動作と何時もより色っぽい相手の顔にどきりと心臓が跳ねる。好きだよヴィル。
「すごく綺麗だよヴィル」
素直な感想をそう告げ,口づけして欲しいと強請るように軽く目を閉じる。
すぐにヴィルは僕にキスをくれた。
ほんのりと薔薇の味がするルージュの色を共有する。触れるだけの口づけをしてヴィルが離れる。僕の顔をじっと見つめた後に口角を上げて「お前も綺麗だよ」と言ってくれた。
「ん..ふふ,本当?嬉しい...」
思わず笑みがこぼれて嬉しくて相手にもう一度キスしてから,ふと思いつく。
「ねえヴィル?なんなら女の子の格好の方がいい?」
ヴィルは衣装をたくさん持ってる。女の子の服もいっぱい。ヴィルは美しいものが好きだ。使用機会が無くたって綺麗なものは集めたがる。だから女物の服も持ってる。
「ヴィルの手で可愛くして?」
着させる事に抵抗はないって知っていたから,ヴィルが喜ぶといいなと思いつつ誘うような目で提案してみる。
一瞬驚いた顔をしたけどヴィルはこくりと頷いた後に立ち上がって衣装部屋の方へ行った。
その間僕はヴィルとどんな事をしようかと考えていた。ぐちゃぐちゃに犯されるのもヴィルにならいい。でも目一杯甘やかされて,キスをいっぱいするのもいい。
ウイスキーボンボンがきいてきたのかな。
幸せな気持ちになる。
「ドイツの民族衣装だ」
ヴィルが戻ってくる。手には赤いワンピースを持っていた。まるで赤ずきんみたいな,そんな可愛い服。
僕は高まる。目を輝かせながら身を起こして,相手を見つめる。
ヴィルが笑いながら僕にそのワンピースを着せてくれる。僕のために作られたかみたいにぴったりだった。
赤地にフリルがたっぷりついていて,背中は編み上げ。袖はパフスリーブだけど上品過ぎずに可愛らしさを目指している感じ。胸元は少し広めに空いていて,そこにもフリルがついている。
可愛い...
「あぅ..!」
服の可愛さに感心しているとヴィルが背中の編み上げをきつく絞る。思わず素っ頓狂な声が出てしまった。
「可愛いよミシェル」
可愛い,と言われれば頬が熱くなる。
それ,反則だって...
ヴィルが僕の正面にやってくる。まじまじ見られると恥ずかしい。
それに足がスースーする。女の子ってこんな感じなのかな。
内股を擦らせてもどかしい思いで相手を見上げる僕。
その脚をぐっと掴んでヴィルは開かせようとした。
「や,ヴィル,恥ずかしいって」
いつもなら平気なのに,服のせいか恥ずかしくなってスカートの裾を両手で抑える。ヴィルは困ったように笑いながら「開けなさい」と言った。
どうしても?という目線を送るが片眉上げて急かされれば恐る恐る手を外す。
ヴィルがスカートの中に顔を近づける。
体が熱くなる。ヴィルが僕の内腿に唇を押し付けたのがわかった。
すぐにヴィルが顔を上げ,僕にスカートをめくって,太腿についた真っ赤なルージュの後を見せてくる。
いやにそれが卑猥で,艶やかで,美しい。
耳が熱くなった。
「恥ずかしいよヴィル」
小さな声でヴィルの訴える。きゅ,と脚を閉じでもじもじする。
「恥ずかしがる顔がいいんだよ」
僕のヴィルはどこまでもサディスティックだった。
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