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7 奴隷side
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買われるって決まってから、別室に移動させられた。
そして、裸にされた。
奴隷には服なんていらないのに、そもそもなんで着せたのかが不安だった。
しばらく待っていると、僕を買ったご主人様に仕えている執事だという人が、迎えに来た。
また目隠しをされたり手足を縛られたりするのかと思ったけど、そんなことはされなかった。
久しぶりに見た外の景色は夜だった。
星はほとんど見れなかったけど、この先どういう扱いを受けようとも、死ぬまえに外を見ることができたのは嬉しかった。
執事さんの後ろをついて歩いていると、いつの間にか僕の目の前に立っている人がいた。
僕は、顔を見せることを許されていないから、すぐさま跪いて、
「214番です。よろしくお願い致します。ご主人様。」
と、ご挨拶をした。
「ああ。時政宗京介(ときまさむねきょうすけ)だ。」
と、おっしゃった。僕は、自己紹介なんてものをご主人様からしていただいたのは初めてだったので、なんとも気のない返事とも言えない返事をしてしまった。
ちゃんと返事もできなかった自分への無礼を詫びようとしたところ、「そんなのいいから」の一言で終わってしまった。
結局僕は、黙ったままになってしまった。
しばらく気まずい空気の中、ご主人様が「乗れ」と、ただ一言だけ言われた。
僕は、おずぞずと遠慮しながらも、人が座るはずのところに座っていることに違和感を覚えた。
「ユウ」
突然言われたから、僕はご主人様がなんのことを言っているのか解らなかった。
何をご主人様が望んでいるのかがわからなかった。
どうすれば起こらないか。
どうすればいいのか。
どうすれば。
どうすれば。
どうすれば。
どうすれば…。
頭がショートしそうな程フル回転で考えていつと、先にしゃべったのはご主人様だった。
「214番だと呼びにくいしな。
優しいとかいて優(ゆう)だ。これが今からお前の名前だ。いいな。」
名前…また、今夜だけの名前なんだろうか。
明日になれば、また違う名前を与えられるんだろうか。
そんな名前なら僕はいらない。
名前なんか…いらない……。
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