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「ヤッホー!お兄ちゃん。話って…
…薄汚い奴隷のこと?」
圭介の第一声はそんな言葉だった。
「そっかそっかぁ〜。ばれちゃったかー。
もうちょっとお兄ちゃん独り占めにしておきたかったんだけどなぁ。
残念。」
「…お前、それ本気で言ってるんじゃないんだろな。
確かに大切な優がこんなになるまで気づかなかった俺も悪い。
よく考えれなくてもわかることだったよな。
お前は、俺が地下室に向かおうとした時、奴隷の面倒は新しい執事が見てるからっていってたもんな。
なんで知ってた?
いや、そんなことはもうどうでもいい。
俺が奴隷といるのがきにくわなかったのはわかった。
でも、でもここまでする必要があったのか!
見ろよ、優のこと。
俺が久しぶりに姿を見せても、こっちを見向きもしない。一度も話もしない。
そもそも、この話が聞こえてるのかも怪しい…。
俺は、俺が!俺のせいで!優がこんなふうになっちまったんだよ…。」
「そんな、そんな!お兄ちゃんのせいなんかじゃないよ!」
そう最後まで言い切る前に、言葉を被せるように小さく京介が言った。
「圭介!
…お前、新しい家買ってやるからそっちに住め。
俺にもう二度と近づくな。
この家からも何人か使用人もやるし、金はこっちから送る。
だから、もう時政宗の名を名乗るな。
その名前は、優にやる。」
それが、どういうことを意味しているのか。
自分の兄がこれまで何でも許してくれた兄が実の弟の俺のことをここまでいうとは思っていなかった圭介は本当にもう終わりなんだと悟ったのか、突然怒鳴り始めた。
「っざけんじゃねぇぞ!なんでこんな奴が!
人でもない奴が時政宗の名をなのんだよ!
俺の方がふさわしいだろ、なんで!なんでだよ!
てめえがいたから、お兄ちゃんは俺の方を向いてくれなかったんだ!
殺してやる!
お前なんか死ぬことでしか存在する理由なんてねんだよ!
死んでやっと人に迷惑かけないようになんだよ!、お前なんか!おまえ、なんかーー」
しばらくは呆然と立ちすくんで俺も圭介の言葉を聞いていたが、さすがにもう聞いていられなくなって執事達に一旦部屋に閉じ込めておくようにいい、圭介は今なお優に対して罵声を浴びせながら連れて行かれた。
幼い頃から頼りにしてくれて、懐いてくれたかわいい弟の姿は、そこにはもうなかった。
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