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圭介が部屋を出て行って部屋には沈黙だけが残った。
「はぁ…。結局は俺のせいだったってことだよな。
じゃあ、お前はただ圭介に指図されて何も知らずにやったってことなんだな。」
執事は何も言わずに、静かに頷いた。
「すまん。いや、すまなかった。俺の勝手な思い込みで…。
圭介のことはもう気にしなくてもいいし、優の専属の執事もやめて執事長に仕事の指示を仰いでくれ。
もう行っていいぞ。」
執事は無表情に礼をして、そのまま部屋を去って行った。
勝手に執事と圭介が企んだんだと考えていたが、圭介がやろうと思えば、使用人を使うくらいたやすいことだったのだろう。
被害妄想を膨らまして新人の執事に当たったことを反省しつつ、ゆっくりとベッドにしばりつけられている優に近寄った。
久しぶりにみた優の目は、開いているにもかかわらず、まるで生気の感じられないような暗い目をしていた。
「優」
声を掛けてみても応答はなく、ただ人形として置かれているようにも見えた。
サラサラだった栗毛色の髪はギシギシに痛んでいて、色の白い綺麗な肌には痛々しい赤や青の装飾が施されていた。
初めては優しくしてやろうと思っていたのに、田中と俺の短気な性格のせいで奇しくも酷く抱いてしまったことはあったが、その時の優はとても儚げで美しく、可愛かった。
けれども、俺以外の人間にここまでされたのだと思うと冷静ではいられなかった。
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