アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
26
-
朝、優がうなされているのを尻目に、いつもより少し早く起床した。
あと、一週間ほどで夏休みが終わり二学期が始まる。
いくらグループを継いだ俺でも、そういう金持ちばっかりが集まる学園には登校しなくちゃならない。
優を一人で家に置いておくのが心配だから一緒に連れて行こうかとも思ったけど、その分、俺の目がいき届かなかったら…、そう思って家に置いていくことにした。
それまでに課題と、会社の仕事と、優のことについてもすることが山ほどある。
寝室のパソコンを使って優が目を覚ますまでそばにいようと仕事をしていると、ガバッと布団をどけて優が目を覚ました。
聞きたいこともたくさんあるけど、できるだけ優しく、
「おはよう。」
と、言った。
一眠りしてすっきりしたのか、優の目も、もう虚ろではなくなっていた。
「おはようございます。京介様。」
とても綺麗な笑みを浮かべながら、挨拶をした優の声は喉を痛めているのか少しかすれてはいたが、あの美しい、可愛い声はなにも変わっていなかった。
「お腹、減ってないか?一緒になにか食べよう。
部屋で食べるか?それとも広間へいくか?」
「ここで、は、ダメですか?」
「いや、いい。じゃあ、ここに持って来させるよ。」
優が俺を「京介様」と呼んでいた。
俺と食事をすることにすら抵抗があった優がすんなりと食事に応じている。
自分の思いや願いを口にしている。
優が微笑んでいる。
そんなことにも気づかないほど、俺はどうかしてた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
26 / 104