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36 過去編
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それから、三年が経った。
それまでの間、僕は慎一お兄さんと一緒に暮らしてた。
お兄さんは、僕なんかのことを抱くようなひとなのに、すっごくいいとこの上場企業に勤めているらしくって、僕のことを不自由ないくらいに養ってくれた。
学校にも通って。クラスメイトとも楽しく過ごすことができて。家に帰ったら、慎一お兄さんに、あったかいご飯を食べてもらえるに、あったかいお風呂に入ってもらえるようにと家事をする。慎一お兄さんさんがお仕事を頑張って帰って来たら、ゆっくり過ごして、その後、愛し合う。
そんな幸せな毎日。
お父さんに真実を突きつけられてから、二度と戻ってこないと思っていた幸せ。
それが、慎一お兄さんのおかげで幸せになれた。
…でも、僕だけが幸せになってもいいんだろうか。
今では、父さんはどこにいて何をしているのかも解らない。
母さんは、修司さんと出て行ったきり、帰ってこなかった。
もう、僕には慎一兄さんと、幸せに暮らしていけると、父さんと母さんと一緒だったころと同じ夢物語を想像してしまっていた。
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