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37 過去編
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「ただいまー」
帰って来たら、最初に食事を作るのが僕の日課になっている。
慎一お兄さんにはあったかいご飯を食べてもらいたいから、下ごしらえだけを先に済ませておく。
一緒に暮らしているうちに、慎一お兄さんのいろんなとこがわかった。
だから、できるだけ慎一お兄さんが快適に過ごせるように頑張っている。
例えば、実はピーマンがそんなに好きじゃなくて、俺のことを思ってか必ず完食はしてくれるけど、食べるのに時間がかかるとか、これまでは別々で寝てたけど、慎一お兄さんは一人で寝ると寝つきが悪くて、ベッドに入ってから二時間は眠れないとか。
だから僕は、ピーマンを入れる時は肉詰めにしたり細かく刻んで入れるようにしてる。
寝る時も、僕が、一緒に寝たいからって言って、ダブルベットを二人で買いに行って、それで寝たりとか…。
そんなこと言い出せばきりがない。
色違いの歯ブラシを使っていること。
慎一お兄さんが買ってくれたパジャマを着て寝ること。
一緒にご飯を食べられていること。
ずっと、慎一お兄さんと一緒にいるにはどうしたらいいのかとか、そろそろ慎一お兄さんって呼ぶのも、他人みたいだから変えたいなとか、慎一お兄さんのことばっかり考えてる。
幸せだ。
もう、これ以上不幸になんかならない。
慎一お兄さんと幸せになれる。
そう思ってたのに…。
「なんで、い、るん、ですか…。
お義父さん。」
僕はまた、不幸のどん底に突き落とされる。
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