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45 過去編
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「あ、れ?なんで…。」
「お前。…今、後悔してるのか?」
その問いに対して、僕は答えることができなかった。
だって、僕は後悔なんてしているはずがないから。
慎一お兄さんにしてあげられることがあって、それができて、嬉しいはずなのに。
なんで…。
「辛いか?辛いんならな、俺がお前のこと変えてやるよ。
俺もお前も幸せになれる方法。教えてやる。どうせ行くところもないんだ。
一緒に、来るよな?」
僕は、黙ったまま慎一お兄さんのところまで、一歩ずつ、ゆっくりと歩いた。
慎一お兄さんの近くまで来たら、力が抜けたかのようになって、その場に崩れ落ちた。
ねえ、慎一お兄さん。僕ね、一回でもいいから「慎一さん」って呼びたかったんだ。
なんだか、いつまでも子供見たいでしょ?だから、対等になりたかった。
でも、僕はいっつもしてもらってばっかりだったからさ。
しかた…ないよね?
でも、僕も頑張ったし、呼んでもいいかな?いいよね。それくらい、許してくれるよね?
慎一さん。
愛してます。
これまでも、これからも。
そっと唇が触れるだけのキスをして、僕たちはその場を立ち去った。
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