アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
46 過去編
-
それからだった。
僕は、人生で二回目の体を売る行為をした。
でも今回は二回に留まらなかった。
何回も何回も体を売った。
慎一お兄さんのことを忘れるかのように、ひどく、きつく抱かれるプレイを好んで選んだ。
そういうプレイは料金が高いらしく、すぐに高額を稼ぐことができたから都合がよかった。
お義父さんへの毎月の振込さえ守っていれば、なんでも自由にできた。
慎一お兄さんと一緒に暮らしていた時はお金を稼ぐとこも、なにもできなかった僕なのに、離れて暮らすようになってからは、たくさん稼ぐようになった。
お金を稼ぐようになってからはその大変さが身にしみて、いかに自分がお荷物であったかがいやでもわかった。
その事実も、どうしようもなく嫌だった。
全部を忘れてしまいたいから、昼も夜も関係なく抱かれた。
偽りの愛を求めて、誠の愛を見てみぬフリをした。
なにも考えていたくなかった。
快楽だけを求めて、何もかも忘れてしまえる時間が幸せだった。
慎一お兄さんのことを思い出して、また会いたいと渇望している時が苦しかった。
でも、そのうちお義父さんの借金が増えて、嫌でもずっと体を売らなくちゃいけなくなった。
もう、なんのために生きているのかわからなくなってしまっていた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
46 / 104