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紅茶を一口飲んで、優はうまく笑えておらず、口角だけをあげた。
喋り疲れてしまったのか、寝てしまった優を姫抱きして、地下室ではなく、二階の俺の寝室に作った優のための部屋に運んだ。
優の真っ白な肌に似合う、純白の天蓋付きのベッドに寝かせてから、俺はそっと家を出た。
向かう先は、久々に訪れる『奴隷市場』。
優のこれまでの事情を聞いた看守に、市場にいた時の様子を含めて詳しく話を聞こうと思った。
そして、それをもとに探偵でもなんでも使って知ろうと思った。
ー優の、全てを。
「いらっしゃいませ。時政宗様。
本日は、どのような奴隷をお求めでしょうか。」
「いや、今日はここの看守に話を聞きに来た。以前214番と呼ばれていた奴隷の過去を聞いた奴を呼んでこい。」
儀式的に俺に声をかけてくる使用人に用件を伝えて、早速部屋に入った。
普段俺は役員たちとの付き合いでしかこないし、看守に用事があるとして、心中を探るかのように様々なわずらわしい質問をしてきた。
そのうえ、ここは基本、呼び出せるのは奴隷だけだ。
看守に用とは、一体どういうことなのか。
奴隷を試したり買ったりする気がないなら帰れ。
そういった本音を遠回しに、オブラートにいうことに必死で、結局全部言い終える前に、その時の看守が部屋に来てしまい、使用人は下がった。
「失礼致します。214番について聞きたい話とは一体なんでしょうか。」
そこで、彼から聞いた。
優自身が語らなかった、奴隷市場に入ってからの、優になる前の214番の話を。
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