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78 京介side
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しばらくの間、霧ヶ峰とお互いの奴隷を交換することになった。
離れ難いし嫌だと言いたかったけど、最近の俺は優に固執しすぎている節もある。
それに69番から、なにか優のことを聞けるかもしれないと、ただ、そう純粋に思った。
だから屋敷の廊下を69番が歩いているのはなにもおかしくはないのに、浮気をしているようで、優に対しての罪悪感は少なからずある。
霧ヶ峰には、優のことをちゃんと人扱いするように頼んだものの、やはり不安要素が多い。
霧ヶ峰のことを見ている限り、あいつはいいやつだと思う。
頭もいいし、可愛げもあって、人からのかわいがられ方も知っている。
でも、その反面、自分の奴隷に対してまだ69番と名付けている。
まあ…、名前をつけてる俺の方がおかしいといえばおかしいけど、そうじゃなくて、なんか…こう…、俺には見せていない一面が、裏の顔がある気がする。
たまに見せるニヒルな笑い方や、冷ややかな視線。
どこか近寄りがたくて、常に警戒して会うようにはしていると、それも近頃では杞憂だったのだと思わないこともない。
誰だって自分のことを慕ってくれる可愛い後輩を信じたいものだろうし、あいつとは気があうとも思う。
…いや、そうであってほしいという願望かもしれないが。
まあ、聞き分けのいい先輩を演じてしまった以上、今更後戻りはできないし、今はただ、優に関する情報を手に入れることだけに集中しよう。
きっと優のこれまでの過去のことを知ることができれば、優の全てが手に入る。
やっと俺のものになる。
そんな思いを胸に抱いて。
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